惑星・フリーダム
惑星・フリーダム 一筋の青い風が駆け抜ける。草原を駆け、川を滑り、森を抜けて岩山の頂上まで登ったとき、風は足をようやく止める。風の名は、ソニック・ザ・ヘッジホッグ。音速で走る青いハリネズミである。彼はその俊足と、自由な冒険心をもってこの惑星…
人間の女の子
人間の女の子 遺跡から引き上げたのち、少女をベッドに寝かせると、テイルスは発掘した首飾りと起動した機械の因果関係を専門家に尋ねた。それによると、首飾りにはめ込まれたガラスはただのガラスではなく、人間の遺跡からまれに出土する特殊なガラスである…
今の自分にできること
今の自分にできること 翌日の朝―― テイルスが台所でお湯を沸かしていると、背後から声がかかった。振り向くと、がこちらを伺うように顔をのぞかせている。分からないとは思いつつもおはようと挨拶をすると、は窓の外を指差して首をかしげた。外からは、何…
君の音
君の音 数日して家が出来上がると、の勉強会が始まった。主としてナックルズがの言葉を翻訳しつつ、テイルスが自宅から持ってきた古い絵本などを読ませているが、ナックルズも人間の言葉全てを知るわけではないため、日常会話をする程度に至るまでまだ当分か…
託した思い
託した思い ソニックとテイルスは、普段はサウスアイランドの外れにある小島に二人で暮らしている。とはいえソニックは常に惑星を駆け回っているので、家というよりは拠点という扱いだ。その拠点は、見た目はただの自然溢れる小島だが、島の中央にそびえる山…
暗雲、迫る
暗雲、迫る あれからおよそ一か月が経ち、は少しずつこの生活に慣れたようだった。元々頭が良いためか言葉や知識の飲み込みも早く、好奇心の強さもあってソニックたちとのコミュニケーションも増えた。記憶が戻る気配はまだないが、テイルスの分析ではリラッ…
出会いの数だけ
出会いの数だけ サウスアイランドで最も大きな浮遊大陸に存在する大都市、セントラルシティ。大統領官邸を有するこの街は商業を中心として栄えており、大陸の広さを利用した航空貿易も盛んで、日々多くの獣人たちが行き交っている。 そんなたくさんの人や物…