おかしたりない

「フレディさんは、なんでもできるのね!」

 色とりどりのお菓子を出してやれば、未登録名前はキラキラ輝く瞳で俺を見上げた。テーブルの上にはキャンディやチョコレートやクッキーで埋め尽くされている。
 テーブルに寄りかかった俺は、未登録名前の頭を撫でてやった。さらさらの髪が心地よく、まるで上等なシルクのようだ。

「ああ、ここでは何でも思いのままだ。だから遠慮しないで、欲しいものを言ってくれよ?」

「ありがとうフレディさん!だいすき!」

 未登録名前は小さな手のひらで皿いっぱいのクッキーを取り、これまた小さな口でかじりついた。柔らかな両頬が忙しなく揺れて、赤い舌が唇の端を舐める。唾液でてらてら濡れる唇が再び開いて、二口目に差し掛かるところで未登録名前はふと俺を見た。

「どうして見てるの?」

「ん?ああ」

 おかしたりないな、と思ってな。
 そう言うと、未登録名前はふふっと笑って、

「お菓子は足りてるよ。へんなフレディさん」

 幸せそうな顔でお菓子を食べ続ける。

(いいやもっと俺に侵されろ)
(そしてぐちゃぐちゃになるまで犯されろよ)