究極の声

「もう一週間経つんだねえ」

「なにがだ？」

「わたしとシャドウが一緒に暮らすようになって」

「……そうか」

「ふふ」

「ハル？」

「思い出し笑い。わたしが好きって言ったら、シャドウはじゃあ一緒に暮らそうって言ったの、おかしかったなって」

「悪かったな」

「ううん、ばかにしてるんじゃないの。シャドウらしい返事だなって思って、嬉しくなっちゃったの」

「そんなことでか」

「そんなことで」

「本当に変わっているな君は」

「そうかなあ」

「そうだ」

「でもさ、シャドウにとってはそんなこと、かもしれないけど、わたしにとっては特別なことだから」

「よく分からないが」

「だって、その言葉を聞けるの、わたしだけでしょ？」

「……ただの、言葉だ」

「そうかもね。でもシャドウの声で言われたから、わたしにとっては特別なんだ」

（ほら、どんどん落ちていく）