ほの甘いキモチ
						
						「アヤさんこんにちは」図書館に行くと、いつも通りアヤさんが座って読書していた。でもいつもと違うところが一つ。声をかけても返事がないということ。「アヤさん?どうしたの?」「……」アヤさんはいつも険しい顔をしているけど、今日はより一層険しい顔を…						
						
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					あやしい関係
						
						本は好きだが置く場所が家にない、お金もそんなに持ってないということで、図書館を利用するのはわたしにとってごく当たり前の日常だった。いつからだったか。その日常が少し変化したのは。夕暮れ時だったのは覚えている。窓から陽の光が射し込んでいて、部屋…						
						
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					共時性増幅度
						
						*Synchronicity夢主「ずいぶん強くなったね、私が初めて召喚したときよりずっと」私が目で見ても分かるほど、こいつの魔力は格段に強くなっている。褒められて気を良くしたらしいこいつは、得意気に鼻で笑う。「本来のチカラとは程遠いが……ま…						
						
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					くらやみの底
						
						「見るな」はっきりとした、悲しみの声がする。薄い暗がりから聞こえるその声に聞き覚えはないが、わたしには誰が発したものかすぐに分かった。「アヤさん」『それ』はびくりと肩を震わせた。いや、その場所が肩かどうかは定かではない。しかし、確かに『それ…						
						
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					やがて消えゆく温度について
						
						*ふつうにいかがわしい どうしてこうなったんだろうなぁ。 うすぼんやりした頭の片隅で考える。お腹の底にうず巻く熱が、大きくわたしの中心を揺すぶっていてもそんなことを思い浮かべてしまうのだから、わたしはまだどこか冷静なのだろう。それともとっく…						
						
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					堂々巡り
						
						 プリサイス博物館の図書室で、泣いている女が一人いる。 声はあげず、時々鼻をすする音だけが、室内に響いている。外は天気が悪いからか、利用者は女の他に誰もいない。「どうして私じゃないんだろうねえ」その言葉は私に向けられたものではない。「あいつ…						
						
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					ルナティック
						
						赤い月が昇る。蝙蝠が飛び回る。風で木が揺れ、ざわざわと葉音を立てる。その中を、ボクは一心不乱に走っていた。運動することなんか大嫌いだが、今はそんなことを言っている場合じゃない。一刻も早くここから離れなければならない。水を飲む暇も汗を拭う暇も…						
						
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					万象流域
						
						万象流転物事には、万事一つの流れが存在する。朝がくれば夜に向かうように、流れに沿って物事は進んでゆき、決して逆らうことはない。我々もその流れの一つであるがゆえ、抗うことなどできはしない。「難しいこと言ってるけど」机に頬杖をついて、はさも退屈…						
						
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					クリア
						
						 「あのさ、****」  	「なんだ」「どこかの国の、昔話を思い出したんだ」「……」「その国ではね、死んだら魂が――」「どうでもいい」「よくないんだよ。ちゃんと聞いて。……魂がね、生まれ変わるんだって」「馬鹿な」「そうかもしれない。でも、信…						
						
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					雨に唄う花
						
						 「アヤさん!」 いきなりやってきたは、ずいと私の前に花を突きつけた。こやつにしてみれば差し出したつもりなのだろうが、花についた雫が私に飛ぶくらい勢いがよすぎた。「……なんだ、それは」顔についた雫を払いながら尋ねると、は顔を輝かせて言った。…						
						
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					大好きです
						
						「やっほークルーク!」  	「うわっ!!……ぎゃふん!」私はクルークをぶん殴って気絶させた。仮にも級友にこんなことをするのはとーっても忍びないのだけれど、こうでもしないとあの方に会えないから仕方がない。ないったらない。「……お前は!毎度毎度…						
						
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					平行線と境界線
						
						たまたま封印を解いたのがクルークだったからって。 	 	 	 	 	これはあんまりだと思うんだ。「どうした?」私の眼前で嫌らしい笑みを浮かべるクルーク……じゃなく、クルークを乗っ取った別のなにか。「女というのは、こうされるのが好きなんだろう…						
						
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