右と左を駆ける熱 仮面から覗く唯一の瞳は、彩度の高い黄色。全身は白と黒で構成されているからか、そこだけが毒々しいまでに鮮やかな色をしているのが、たまらなく美しいと思った。 手を伸ばして、途中で止めた。がちゃりと鳴った手錠と鉄格子が、彼から温度を貰うことを阻… 2023-01-13ソニック短編※,インフィニット
桜の下に死体を埋める 虚空に手を伸ばし、強く握り込むと目の前の巨木は紙クズのようにひしゃげて折れた。舞い上がる土煙と火の粉の中、俺は真っ直ぐ標的に向かって歩き出す。 一瞬、土煙が揺らいだ。 俺は胸のファントムルビーに触れ、走り寄る標的の空間を歪める。相手は足を… 2023-01-12ソニック短編※,インフィニット