主人公

トライアングルゲーム

「それ、Cの4じゃない?」 チェス盤を前に考えていると、隣に座る音と少女の声がした。見なくても分かるが、僕は苦笑して彼女に向く。「考える楽しみを奪わないでくれよ」「ごめん、ごめん。でも、ずいぶん長いことそうしていたから」「まあね」 言いつつ…

暗闇女の記憶

 いつもわたしのまわりには、人の目と閃光があった。 人の目たちはわたしに、「もっと元気よく」とか、「もっと色っぽく」とか言いながらたくさんの閃光を浴びせた。そうして映し出されたわたしの姿は、また誰とも知らない人の目たちに晒されて、短時間で消…