恋人のいない夜
カチ コチ カチ コチいくら待っても、あいつが帰ってくる気配はない。太陽は既に山際、薄紫の空が濃紺へ変わる時間になるというのに。一体どこをほっつき歩いてるんだ。俺がこんなに心配してるっていう――いや、心配なんかしてない。ただちょっと……そう…
ゼルダ短編※,勇者の影
お化けがこわい!
※会話のみ「ねーちょっと聞いてよ、こないだ怖いことがあったのよ」「なんだよ」「夜に一人でさ……」「待った。やっぱり聞かねえ」「えーなんでよ?あ、もしかして怖い話苦手?お化けとかそういうの」「べっべつに苦手じゃねえし!」「ムキになるあたりが怪…
ゼルダ短編勇者の影
夜に溶けたふたり
その日は、とてもきれいな夜でした。満天の星は宝石箱をひっくり返したみたいにきらきらきらと輝いて、夜空の、黒いビロードをしいたような闇にぽつぽつぽつと浮かんでいました。風は幾分吹いていて、ハイリア湖の湖面をさらさらなでます。その音がまた、鈴の…
ゼルダ短編勇者の影
何よりも深く
ダークは私にやさしくない。一応、私たちは想いが通じ合った仲なんだけど、それも私が好きって言っただけで、返事はもらってない。頷いただけ。あれ、それって私が勝手に思い込んでるだけなのかな。本当は別に私のことなんて好きでもなんでもなくて、浮かれて…
ゼルダ短編勇者の影