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	<title>きみが恋する一週間 &#8211; 揺れる</title>
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	<title>きみが恋する一週間 &#8211; 揺れる</title>
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		<title>なのかめ</title>
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		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:46:31 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[次の日も、は出てこなかった。 家を訪ねる気にはなれず、悶々としたまま仕事をして、そのまま家に帰った。 今日は、七日目。明日の朝には村を発たなければならない。 そのために、普段の服から勇者の服へ着替えて、しまっていた剣もだ...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%aa%e3%81%ae%e3%81%8b%e3%82%81/" title="続きを読むなのかめ">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>次の日も、未登録名前は出てこなかった。<br />
家を訪ねる気にはなれず、悶々としたまま仕事をして、そのまま家に帰った。<br />
今日は、七日目。明日の朝には村を発たなければならない。<br />
そのために、普段の服から勇者の服へ着替えて、しまっていた剣もだした。<br />
けれど。<br />
このままでいいわけがない。けれど、俺は彼女に何をしてやれる？</p>
<p>「なーに辛気臭い顔してるんだよ」</p>
<p>「……ミドナ」</p>
<p>窓から、ミドナが入ってきた。もう約束した夕方か。</p>
<p>「見つからなかったのか？」</p>
<p>「いや、見つかったよ。でも……」</p>
<p>「でも、なんだよ」</p>
<p>「……言いたくない」</p>
<p>「その割りには言いたいって顔してるぞ」</p>
<p>吐き出して楽になっちまえ、というミドナの言葉におされて、俺はこの一週間であったことを話した。<br />
ミドナは特に相槌も打たずに聞いていたが、未登録名前の話になると、大げさにため息をついてみせた。</p>
<p>「めんどくさい女だな。世界が違うんだからもう諦めろよな」</p>
<p>「そう簡単に割り切れないから、こうして悩んでるんだろ」</p>
<p>未登録名前を悪いふうに言われて、俺は少しムッとした。<br />
ミドナはそれに気づいたようだが特に言い改めることはしなかった。それ以上けなすこともなかったが。</p>
<p>「それで？どうすんだよ」</p>
<p>「どう、って……俺にはどうしようもないよ」</p>
<p>ミドナはまたため息をついた。</p>
<p>「オマエはどうしたいかって聞いてるんだ」</p>
<p>「俺が？」</p>
<p>「誰かが引っ張ってやらなきゃ、ソイツはずっとそのままだぞ」</p>
<p>「！」</p>
<p>ミドナはこう言ってる。<br />
「オマエが彼女を引き上げてやれ」と。</p>
<p>俺は決心して、玄関に向かった。<br />
後ろからミドナが、</p>
<p>「約束は夕方までだからな。日が沈むまでになんとかしろよ！ククッ」</p>
<p>頷いて、走り出した。<br />
まっすぐ、未登録名前の家へ。<br />
村の人にどうしたんだと声をかけられたけど、申し訳ないが話している余裕はない。<br />
一刻も早く、彼女のもとへ。</p>
<p>未登録名前の家につくと、未登録名前は丁度玄関の扉を開けて出かけようとしていた。<br />
しかし俺の姿を見ると、驚いてきびすを返した。</p>
<p>「待ってくれ！」</p>
<p>俺は閉まりかけの扉に体をねじこむ。<br />
さすがに誰かに見られるのはまずい。<br />
未登録名前は視線を合わせようとはせず、うつむいたままだった。</p>
<p>「どうして……会いたくないって昨日」</p>
<p>今にも泣きそうだった。<br />
もう、君にそんな顔はさせたくない。させない。<br />
俺は未登録名前の体をぎゅっと抱きしめた。</p>
<p>「り、リンク？」</p>
<p>「聞いてくれ、未登録名前」</p>
<p>迷っていたけど。ずっと迷っていたけど。<br />
今なら言える。<br />
大切なことを。</p>
<p>「俺、ずっと未登録名前のことが好きだったんだ」</p>
<p>「え……」</p>
<p>「だから、未登録名前が俺のこと好きになってくれて、すごく嬉しかったんだ」</p>
<p>「でも、わたしは」</p>
<p>「そんなの関係ない。俺は未登録名前が好きだ」</p>
<p>悩んでるってことは、それだけ俺のことを思ってくれてるってことだから。<br />
それだけで十分……とはいえないけど。<br />
素直に、喜ぶべきことだ。</p>
<p>「すぐに返事はくれなくっていい。気持ちに整理がつけられたら……その頃には、俺の旅も終わってるだろうから。そうしたら、また言うよ」</p>
<p>気持ちを伝えるのは、楽なことじゃない。<br />
大変な勇気が、魔物と戦うときよりも大きな勇気がいる。<br />
でも伝えたいんだ。<br />
だって誰よりも何よりも、君のことが大事だから。<br />
未登録名前のことが好きだから。</p>
<p>未登録名前は、俺の服をぎゅっと掴んだ。</p>
<p>「その姿、初めてちゃんと見るね」</p>
<p>「そう、だったか？」</p>
<p>「うん。すごく、かっこいい」</p>
<p>「……ありがとう」</p>
<p>「あのね、リンク」</p>
<p>「うん」</p>
<p>「過去は、捨てきれないけど……でも、わたし待ってる。リンクがもう一度好きって言ってくれるまで」</p>
<p>未登録名前は顔を上げて、</p>
<p>「それまでリンクの気持ち、預かっててもいい？」</p>
<p>俺に微笑みかけた。<br />
返事は、決まってる。</p>
<p>「うん。俺の気持ち、未登録名前に預けるよ」</p>
<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<h4>きみが恋する<span style="color:#f00;">まで</span>一週間　　なのかめ</h4>
<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>（思い出したことがあるの）<br />
（なにを？）<br />
（わたしが消える間際、ハヤトさんが最後に言った言葉）</p>
<div style="height:80px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>（きみはきっと、元の世界で恋をする）<br />
（そのとき俺の気持ちが邪魔になったら）<br />
（一週間だけでいい、俺のこと思い出して）<br />
（そしたら、忘れてしまってかまわないから）</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>むいかめ</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/%e3%82%80%e3%81%84%e3%81%8b%e3%82%81/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:44:34 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[朝からの姿を見なかった。 いつもなら雑貨屋を手伝ったり畑をいじったりしているのに。 聞くと、村の人たちもを見ていないという。 もしかして、やっぱりどこか怪我をしていて、後になって響いてきたんだろうか。 心配になって、仕事...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e3%82%80%e3%81%84%e3%81%8b%e3%82%81/" title="続きを読むむいかめ">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>朝から未登録名前の姿を見なかった。<br />
いつもなら雑貨屋を手伝ったり畑をいじったりしているのに。<br />
聞くと、村の人たちも未登録名前を見ていないという。<br />
もしかして、やっぱりどこか怪我をしていて、後になって響いてきたんだろうか。<br />
心配になって、仕事を終えてから未登録名前の家を訪ねた。<br />
ノックをしてから、未登録名前を呼ぶ。</p>
<p>「未登録名前、どうしたんだ？今日は外に出てないみたいだけど」</p>
<p>しかし、返事はなかった。<br />
家を空けているのだろうか。でも村の誰も未登録名前の姿を見ていないというから、それはないだろう。<br />
まさか、またいなくなったんじゃ。<br />
恐ろしくなったころ、未登録名前の弱弱しい声が聞こえてきた。</p>
<p>「……ごめん。今日は、かえって」</p>
<p>「未登録名前？」</p>
<p>「会いたくないの……」</p>
<p>それは、どうして。<br />
昨日は俺に会いたいって、言ってたのに。<br />
少し、いやかなりショックだった。<br />
未登録名前から拒絶されるのが初めてだからというのもあった。<br />
一体未登録名前になにがあったんだ。<br />
その理由を聞くまでは、帰れない。</p>
<p>「教えてくれ。どうして会いたくないんだ？」</p>
<p>ややあって、</p>
<p>「わたし、ひどい女なの」</p>
<p>何を言ってるんだ。<br />
未登録名前ほどいい子は他にはいない。そりゃ多少贔屓目もあるけど、未登録名前は優しくて、よく気がつく子で、村のみんなが慕っているのに。</p>
<p>「リンクに、ひどいことをしたの」</p>
<p>「俺に？」</p>
<p>思い当たる節はない。俺からなにかすることはあったとしても（そんなこと絶対しないけど）、未登録名前からひどいことをされるなんてありえない。</p>
<p>「思いつかないよ。未登録名前が俺になにかしたなんて」</p>
<p>「……リンクは、気づかないかもしれない。だって、これはわたしのエゴだから」</p>
<p>要領を得ない会話。<br />
俺はどうしたらいいか分からない。</p>
<p>「はっきり言ってくれ。でないと怒ることも許すこともできないよ」</p>
<p>返ってきた言葉は、</p>
<p>「わたし、ハヤトさんのことが、好きなのに。まだ好きなのに。リンクのことも、好きになってしまったの」</p>
<p>俺を絶句させた。</p>
<p>「ひどいよね。ハヤトさんにもリンクにもひどいことしてる。分かってるの、けど気持ちがとまらなくて」</p>
<p>一度口にしてしまったら、関を切ったように言葉があふれる。<br />
俺の胸につきささるような言葉が。</p>
<p>「どっちかなんて選べなくて、どうしたらいいか分からなくて、こんなぐちゃぐちゃな気持ちのまま、リンクに会えない。会えないんだよ……」</p>
<p>未登録名前が俺のことを好きになってくれた。<br />
それはとても嬉しいことのはずなのに。<br />
どうしてこんなに苦しいんだろう。<br />
どうして未登録名前は泣いてるんだろう。<br />
泣いてるところは見たくないのに。</p>
<p>「お願い、今日は帰って……」</p>
<p>どうすることもできない俺は、その場を立ち去るしか、なかった。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>いつかめ</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%84%e3%81%a4%e3%81%8b%e3%82%81/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:40:43 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[仕事を終えると、ファドから「が会いたがってたぞ」と聞いて、俺はのいる場所に飛んでいった。 どうやらまた一人でフィローネの森に行ったらしい。さすがにちょっと怒りたくなった。 でも、 「リンク！待ってたよ！」 なんて嬉しそう...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%84%e3%81%a4%e3%81%8b%e3%82%81/" title="続きを読むいつかめ">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>仕事を終えると、ファドから「未登録名前が会いたがってたぞ」と聞いて、俺は未登録名前のいる場所に飛んでいった。<br />
どうやらまた一人でフィローネの森に行ったらしい。さすがにちょっと怒りたくなった。<br />
でも、</p>
<p>「リンク！待ってたよ！」</p>
<p>なんて嬉しそうに言われたら、そんなのどこかへいってしまったよ。</p>
<p>「未登録名前、俺に会いたいって……」</p>
<p>すごく嬉しいけど、実際口にすると恥ずかしい。<br />
未登録名前もちょっと照れたように笑って、</p>
<p>「うん。リンクと話がしたかったの」</p>
<p>未登録名前がいなくなる前も、二人で話すことはあった。<br />
でもそれは村の中で立ち話をする程度で、こんなふうにわざわざ待ち合わせて会うなんて初めてのことだ。<br />
俺は少したじろいでから、未登録名前の隣に座った。<br />
泉のほとりは少し風が吹いていて、気持ちよかった。<br />
……正直、昨日のことがあって会いづらかったけど、未登録名前が気にしていないようなら俺も気にしないことにしよう。</p>
<p>「でも、どうして俺に？」</p>
<p>「なんでかなあ、自分でも分からないや。リンクは、嫌だった……？」</p>
<p>「そんなことない！」</p>
<p>ちょっとドキっとしてしまったけど、別に会いたくなかったわけじゃない。<br />
慌てて否定すると、未登録名前は安心したように「よかった」と笑った。<br />
ふわふわした、未登録名前の笑顔。やっぱり見てると落ち着くなあ。</p>
<p>それから、未登録名前の提案で森の中を二人で散歩することにした。<br />
いつも見ていた景色だけど、未登録名前と一緒に見ることでなんだか違うものに見えてきた。<br />
旅をしていて、きれいな景色はいくつも見てきたけれど、なぜだろう、俺には今のフィローネの森が一番輝いて見える。<br />
葉の緑も、鳥のさえずりも。どれも特別なものに感じるんだ。<br />
しばらく歩いていると、未登録名前がはたと足を止めた。</p>
<p>「あ、草笛がある」</p>
<p>鷹を呼ぶときの草が足元に生えていた。</p>
<p>「リンクって草笛吹けるんだよね。ちょっと吹いてみて」</p>
<p>「いいけど、これを吹いたら鷹がきちゃうな」</p>
<p>俺はそばにあった背の低い木から、葉をひとつとった。<br />
楕円形のやわらかい葉だ。<br />
両端を持って、横に曲げるようにして軽く咥える。あとは頬の内側に空気が入らないようにして吹く。</p>
<p>ピィーッ</p>
<p>「わあすごい！」</p>
<p>未登録名前が手を叩いて喜んだ。<br />
照れくさかったけど嬉しくて、いくつか簡単な曲を吹いた。<br />
未登録名前はいっそう喜んでくれて、終わるごとに拍手をくれた。</p>
<p>「すごいなあリンクは」</p>
<p>「そ、そうでもないよ。練習すれば未登録名前だって吹ける」</p>
<p>「ほんと？じゃあ、ちょっと貸して？」</p>
<p>え、と俺は硬直してしまった。だって、それって……！<br />
断ろうと返事をする前に、未登録名前が俺の手から葉っぱをとっていってしまった。<br />
そしてそれを唇に。</p>
<p>「ふーっふーっ……うーん吹けないなあ。なにかコツがあるの？」</p>
<p>聞かれても困る。<br />
俺が答えないのを不思議そうに見ていたが、やがて、ぼっと顔を赤くさせた。</p>
<p>「ご、ごごごめん！わたしってば……」</p>
<p>「……」</p>
<p>「そっそういうつもりじゃなかったの！その……」</p>
<p>「……」</p>
<p>「えっと……」</p>
<p>「……」</p>
<p>「……」</p>
<p>「…………そろそろ、帰るか」</p>
<p>「…………うん」</p>
<div style="height:80px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>その日の帰り道は、少しだけ未登録名前が遠く並んだ。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>よっかめ</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/%e3%82%88%e3%81%a3%e3%81%8b%e3%82%81/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:38:50 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[は見つかったが、ミドナが戻らないので、俺は言われた一週間、残り３日を村で過ごすことにした。 にあんな顔させる誰かが憎い。 俺の知らないを知ってる誰かが憎い。 顔も知らない誰かが憎いなんて初めてのことで、俺は気持ちをもてあ...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e3%82%88%e3%81%a3%e3%81%8b%e3%82%81/" title="続きを読むよっかめ">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>未登録名前は見つかったが、ミドナが戻らないので、俺は言われた一週間、残り３日を村で過ごすことにした。</p>
<p>未登録名前にあんな顔させる誰かが憎い。<br />
俺の知らない未登録名前を知ってる誰かが憎い。<br />
顔も知らない誰かが憎いなんて初めてのことで、俺は気持ちをもてあましていた。<br />
誰かに相談する気にもなれなかった。<br />
自分の醜い感情を吐き出すことが怖かった。</p>
<p>今日は早々に仕事を切り上げて、村から少し離れた川で釣りを始めた。<br />
ほかの事に集中していれば考えなくて済むだろうと思ったが、仕事をしていてもぼんやりしていたのに釣りで気が晴れることはなかった。<br />
おまけに、俺をあざけるように魚は釣れない。</p>
<p>（ダメダメだな、俺）</p>
<p>自分が嫌になった。</p>
<p>「……リンク？」</p>
<p>「え、あ」</p>
<p>そこへ、ひょっこり現れたのは、未登録名前。</p>
<p>「昨日、様子がへんだったから。気になって……」</p>
<p>「いや、」</p>
<p>今は、出来れば会いたくなかった。<br />
こんなきたない感情にとらわれている俺を見られたくなかった。<br />
でも、会いたかった。<br />
未登録名前と話していると、やっぱり嬉しかった。</p>
<p>未登録名前は俺の隣に座って、浮きを見つめている。<br />
そういえば。</p>
<p>「もう、起き上がって大丈夫なのか？」</p>
<p>「うん。もともと、どこも怪我してないしね」</p>
<p>そうか、ならよかった。<br />
頭を打ったんじゃないかと心配したから。</p>
<p>「釣れる？」</p>
<p>「全然」</p>
<p>未登録名前はくすくすと笑った。<br />
つられて、俺も笑った。<br />
さっきまでの、自己嫌悪がうそのようだ。<br />
未登録名前が笑顔を見せてくれるだけで、こんなに晴れやかな気持ちになれる。</p>
<p>「リンクでも釣れないことあるんだねー」</p>
<p>「そりゃあな。魚だって必死なんだよ」</p>
<p>「必死さで負けちゃったわけだ」</p>
<p>「まだ負けと決まってないからな」</p>
<p>「負けず嫌いだね」</p>
<p>「まあな」</p>
<p>「ふふっ。そういえばハヤトさんも――」</p>
<p>未登録名前はしまったという顔をした。そしてすぐに、申し訳なさそうな顔で俺を見た。</p>
<p>「ごめん。向こうの世界の話……リンクは嫌いなんだよね」</p>
<p>「……うん」</p>
<p>話というよりは、その「ハヤトさん」が嫌いなんだけどな。<br />
でもそんなこと言えばどうしてって聞かれるから、黙っていた。<br />
また、俺の中できたない感情が渦巻き始めた。<br />
多分顔にも出てるんだろう。未登録名前が、すごく悲しそうな顔をしてる。<br />
俺は、最低だ。<br />
自分の独りよがりで、彼女を悲しませている。<br />
本当は笑顔になってほしいのに。俺じゃ、俺なんかじゃ、だめなのか？<br />
俺は「ハヤト」に勝てないのか？</p>
<p>「ほんとに、ごめん。わたしっ、帰るから……」</p>
<p>行って欲しくなかった。けど、このままじゃ彼女を傷つけるだけだ。<br />
俺は黙っていた。<br />
未登録名前はもう一度「ごめん」と言って立ち上がった。</p>
<p>「っきゃ、」</p>
<p>勢いよく立ち上がったからか、未登録名前がバランスを崩して倒れそうになった。<br />
すかさず俺は立って未登録名前の体を受け止める。</p>
<p>「大丈夫、か？」</p>
<p>すんでのところで、未登録名前は川に落ちずに済んだ。</p>
<p>「う、ん。ありがとう……」</p>
<p>未登録名前は姿勢を正すと、なぜかその場から動こうとはしなかった。<br />
俺もなんとなく動けなくて、視線を泳がせていた。<br />
なんだ、この空気は。<br />
ちらっと未登録名前を見ると、うつむいたまま胸を押さえている。一体どうしたんだろう。<br />
さすがにいたたまれなくなって、何か言おうとした。</p>
<p>「あのさ、」</p>
<p>「わっわたし帰るね！ありがと！」</p>
<p>未登録名前は弾かれたように、走り去ってしまった。<br />
本当、どうしたっていうんだ。<br />
俺、なにか……したなあ……。<br />
未登録名前の悲しげな顔を思い出して、また自己嫌悪。<br />
でも、</p>
<p>去り際に、未登録名前の顔が赤かったのはなんでだろう。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>みっかめ</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%bf%e3%81%a3%e3%81%8b%e3%82%81/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:37:45 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[の口から直接聞くまで、俺は信じられなかった。 いや、信じたくなかった。 俺はトアル村の服を着て、の家に行った。はまだ安静にしているよう医者に言われているのでベッドから起きられず、ウーリさんが身の回りをお世話していた。 俺...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%bf%e3%81%a3%e3%81%8b%e3%82%81/" title="続きを読むみっかめ">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>未登録名前の口から直接聞くまで、俺は信じられなかった。<br />
いや、信じたくなかった。<br />
俺はトアル村の服を着て、未登録名前の家に行った。未登録名前はまだ安静にしているよう医者に言われているのでベッドから起きられず、ウーリさんが身の回りをお世話していた。<br />
俺はウーリさんに席をはずしてもらって、未登録名前に切り出した。</p>
<p>「俺、信じられないよ。未登録名前が違う世界に行ったなんてこと」</p>
<p>「うん……わたしも、最初は信じられなかった。でも、ほんとうのことなの」</p>
<p>未登録名前は悲しそうに窓の外を見つめた。<br />
景色を見ているんじゃない。思い出しているんだ。俺が知らない世界のこと。<br />
そして俺の知らない誰かのこと。</p>
<p>未登録名前は一週間前、フィローネの森の泉へ散歩したとき、まばゆい光に包まれたらしい。<br />
目がくらんで、気がついたら全く知らない場所にいた。<br />
そこは森や動物の代わりに、灰色の建物と人がたくさんで、人気のない場所まで逃げて泣いていた。<br />
そんなとき、声をかけてくれた男性がいた。<br />
その男性は「ハヤト」と名乗り、未登録名前に食べ物をくれた。<br />
未登録名前はその男性と話しているうちに、ここが異世界だということを悟った。<br />
困り果てていると、男性がよかったらうちに来るといいと言ってくれて（いくらなんでも無防備だと思ったけど、場合が場合だから仕方ないかと怒るのを我慢した）、それから一緒に生活するようになったという。</p>
<p>「一週間。こっちにいない間と同じ日数、そこにいたの」</p>
<p>「……その間、なにもされなかっただろうな」</p>
<p>「ハヤトさんはそんなことしないよ」</p>
<p>ちょっと怒ったように言う未登録名前。その「ハヤトさん」が少し恨めしかった。</p>
<p>「それでね。あっちはすごいんだよ、色んなものが便利になってて、パンを焼くのも薪がいらなくてね」</p>
<p>「……未登録名前」</p>
<p>君が話したいのは、そうじゃないだろう。<br />
そう言うと、未登録名前は少しうつむいて、そのまま、ぽつぽつと話し出した。</p>
<p>「……ハヤトさんは、すっごく優しかった。右も左も分からないわたしによくしてくれて、目立つだろうからって服もくれて」</p>
<p>あれはそいつがくれたものだったのか。<br />
俺だって未登録名前になにかあげたことないのに。<br />
先を越された気分になって、悔しくなる。</p>
<p>「色んなところに連れて行ってくれて……不安だったけど、楽しくて、それで」</p>
<p>ああ、もういい。<br />
その先は、聞きたくない。<br />
なんていおうとしてるか、わかるから。<br />
耳をふさぎたかった。<br />
でも俺の体は凍ってしまったように動かない。</p>
<p>「いつの間にか、好きになってた。ハヤトさんも、好きって言ってくれた」</p>
<p>そう言う未登録名前は、少し泣いていた。<br />
今すぐ君を抱きしめたい。<br />
俺のだって主張してやりたい。<br />
でも、未登録名前の心に俺はいない。<br />
いないんだ。</p>
<p>「……リンク？」</p>
<p>「今日はもう、帰るよ」</p>
<p>俺は未登録名前のほうを見ないようにして立ち上がり、そのまま部屋から出た。</p>
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		<title>ふつかめ</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/756-2/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:36:34 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[フィローネの森に入った俺とモイさんは、二手に分かれての手がかりを探した。 魔物が出るかもしれないので、剣と盾は持ってきた。モイさんもだ。 俺は泉があるほうへ行った。はここに来ると言っていたらしいが、あたりをくまなく見て回...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/756-2/" title="続きを読むふつかめ">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>フィローネの森に入った俺とモイさんは、二手に分かれて未登録名前の手がかりを探した。<br />
魔物が出るかもしれないので、剣と盾は持ってきた。モイさんもだ。<br />
俺は泉があるほうへ行った。未登録名前はここに来ると言っていたらしいが、あたりをくまなく見て回ってもそれらしい跡はない。一週間も経てば当たり前かもしれないが。<br />
ここは諦めて、モイさんと合流して森の奥を探したほうがいいかもしれない。<br />
そう思った俺は泉に背を向けて、</p>
<p>ばしゃん！</p>
<p>なにかが泉に落ちた。それも大きなもの。<br />
魔物か？俺は背中の剣を抜いて振り返った。<br />
しかし泉にいたのは魔物ではなかった。<br />
人の形をしている。特に怪しい気配はない。<br />
剣をおさめて、近寄った。</p>
<p>「未登録名前！？」</p>
<p>仰向けに泉に浮かぶ、その姿。<br />
間違いなく未登録名前だった。<br />
着ている服に見覚えはないが……というか、こんな形の服、見たことがない。<br />
それに、どこから落ちてきたんだろう。木の上にいた？確かにそこまでは見ていなかったが。<br />
でもとにかく、未登録名前が生きていた。それだけで十分だ。<br />
声をかけてゆすってみても、起きる気配はない。落ちたときに頭を打ったかもしれない。それならあまり動かさないほうがいいだろう。<br />
俺は未登録名前を横抱きに抱えて泉のほとりに寝かせ、モイさんを呼びに行った。<br />
モイさんに未登録名前が見つかったことを話すと、とても驚いていたが嬉しそうだった。</p>
<p>すぐに未登録名前の家に彼女を寝かしつけた。服は濡れてしまったので、セーラさんに頼んで着替えさせてもらった。<br />
ハンジョーさんは未登録名前の服を見て「こんなの、仕入先でも見たことないよ」と唸っていた。<br />
そのうち村の人たちが集まってきたが、体に障るとよくないからと遠慮してもらって、未登録名前の部屋にいるのは俺だけだ。</p>
<p>（……少し、やせたかな）</p>
<p>久しぶりに見る未登録名前。嬉しい再会のはずなのに、なぜか心が晴れない。<br />
未登録名前は今までどこにいて、何をしていたのだろう。<br />
どこから落ちてきて、服はどうしたんだろう。<br />
たくさんの疑問が浮かんで、俺の頭を占拠する。<br />
とりあえず、今は未登録名前が起きるのを待とう。話はそれからだ。</p>
<p>「う、ん……」</p>
<p>未登録名前が身をよじって、それから、目を開けた。</p>
<p>「リン、ク……？」</p>
<p>彼女に名前を呼んでもらうのは久しぶりだ。<br />
俺は笑顔になる。</p>
<p>「そうだよ。久しぶり」</p>
<p>未登録名前は何度か目を瞬いて、ゆっくり起き上がった。<br />
そして辺りを見回して、</p>
<p>「あ、ああ」</p>
<p>「未登録名前？」</p>
<p>「う、う、あああ！」</p>
<p>両手で顔を覆って、声を上げて泣きはじめた。<br />
俺はどうしていいか分からず、未登録名前を見ていることしかできなかった。<br />
泣き声に気づいたみんながやってきて、未登録名前を落ち着かせるために女性陣が部屋に残りあとは追い出されてしまった。<br />
どうして未登録名前は、村に帰ってきたのに泣いたのか。<br />
よほど怖い目にでもあったのだろうか。<br />
多分、そうじゃない。<br />
俺は聞いてしまったんだ。<br />
未登録名前の泣く声の間から、「――さんはどこ」という、聞きなれない音の誰かの名前が出てきたのを。</p>
<p>そしてそれはきっと、男性。</p>
<p>かあっと全身が熱くなった。<br />
知らず歯噛みしていた。<br />
未登録名前が、俺の知らない誰かを求めてる。<br />
知らない間に誰かと仲良くなって。<br />
別れたから泣いてる。<br />
そう思うと、頭がまっしろになって、どうにもいられなくなって、ぎゅっと握りこぶしを作って、叫びたいきもちになって。</p>
<p>その時未登録名前の家からウーリさんが出てきて、みんなに説明を始めた。</p>
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		<title>いちにちめ</title>
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		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:35:01 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[久々にトアル村に顔を出したらとんでもないことを言われた。 「この間からが行方不明なんだ」 モイさんが暗い顔をしていたのでどうしたのかと思っていたが、まさかそんなことが起きてるなんて思いもよらなかった。 全身から冷や汗が出...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%84%e3%81%a1%e3%81%ab%e3%81%a1%e3%82%81/" title="続きを読むいちにちめ">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>久々にトアル村に顔を出したらとんでもないことを言われた。</p>
<p>「この間から未登録名前が行方不明なんだ」</p>
<p>モイさんが暗い顔をしていたのでどうしたのかと思っていたが、まさかそんなことが起きてるなんて思いもよらなかった。<br />
全身から冷や汗が出るのを感じた。<br />
俺は、未登録名前のことが好きだから。旅に出ることになっても、結局思いは伝えなかったけれど、旅が終わったら絶対に言おうと思っていた。<br />
優しくて、どこかふわふわした雰囲気を持つ彼女の隣にいると、とてもしあわせなきもちになって、笑顔を見ると、どんなことでもできそうな気分になってくる。旅の途中何度も思い出して、俺を勇気付けてくれた。<br />
未登録名前はきっと、俺の気持ちなんて知らないだろうけど。</p>
<p>「あの、未登録名前はいつからいないんですか」</p>
<p>「一週間前に、一人でフィローネの森に行くと言ったきりだ。村のみんなも随分探したんだが……」</p>
<p>城下町やハイラル平原まで出て行って探したが、見つからないのだという。<br />
誘拐、ということも考えたが、未登録名前は一人だしそもそも身代金の要求もない。<br />
他に思い当たる場所がないので、みんなも困り果てている。</p>
<p>「なら、俺が探してきます！もしかしたら魔物に連れ去られたのかもしれない」</p>
<p>イリアたちのことを思い出す。<br />
突然現れた影の魔物に、なすすべなく連れて行かれたときのこと。<br />
自分は無力だと思い知らされて、涙が出そうなほどくやしかった。<br />
でも今は、違う。<br />
大切な人を守るための力が、俺にはある。</p>
<p>「それはありがたいが、今日はもう遅い。明日一緒に森に行こう」</p>
<p>「でも……」</p>
<p>「夜は魔物が活発だから危険だ」</p>
<p>お前までいなくなってしまったら、どうするんだ。<br />
モイさんに諭され、俺はしぶしぶ承諾した。<br />
とりあえず今日は自分の家で休んで、明日手がかりを探しにフィローネの森に行くことにした。<br />
もしかしたら、精霊フィローネがなにか見ているかもしれない。聞いてみよう。</p>
<p>家に着くと、それまで黙っていたミドナが姿を現した。</p>
<p>「オマエ、こんなとこで道草くってる場合かよ？」</p>
<p>「しょうがないだろ。村の一大事だし」</p>
<p>「はーん。オマエ、ソイツのことが好きなんだな？」</p>
<p>「なあっ！」</p>
<p>ミドナはクックッと笑って、</p>
<p>「やっぱりな。オマエ分かりやすいからなあ！」</p>
<p>「悪かったな」</p>
<p>「ふてくされるなよ」</p>
<p>それでもミドナはニヤニヤ気持ち悪い笑みを浮かべたままだ。<br />
まったく。</p>
<p>「ま、どうしてもっていうなら一週間だけ大目に見てやるよ」</p>
<p>「……ありがとな」</p>
<p>急ぐ旅の途中なのに、無理をいって立ち止まってるのは事実だ。<br />
俺は素直にお礼を言った。</p>
<p>「でもワタシは協力する気はないからな」</p>
<p>「そう言うだろうと思ったよ」</p>
<p>「どっかで暇つぶしてくる。一週間後の夕方戻ってくるから、それまでになんとかするんだぞ！」</p>
<p>そう言うと、ミドナは虚空に姿を消した。</p>
<div style="height:80px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>未登録名前、君は一体どこへ行ってしまったんだ。<br />
そもそも一人で出かけるなんて、危険なのに。<br />
もし何者かに連れ去られでもしたら……。<br />
いや、悪い想像なんてしないほうがいい。<br />
きっと無事だ。迷子になっているだけだ。<br />
早く見つけてあげないと。きっと寂しがってる。<br />
気丈にしてるけど、本当は寂しがりだから。彼女を見てきた俺はよく知ってる。<br />
見つけたら、ぎゅって抱きしめてあげよう。びっくりするかな。でもきっと笑ってくれる。ハルなら。</p>
<p>けれどやっぱり落ち着かなくて、俺は眠れないまま夜を明かした。</p>
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