ケモノからアイをこめて

ななつめ

あれからわたしは、マロマートのお手伝いを自らかってでた。お世話になりっぱなしはしゃくだから、自分にできることをしたかったのだ。偶然にも、トアル村からやってきたマロという少年がお店をひらくというのでそのお手伝いをすることにした。(その歳で店主…

むっつめ

光の雫が全て集まると、リンクとミドナは光に包まれてどこかへ行ってしまった。光の精霊を復活させるために集めていたというから、きっとそこへ行ってるんだろう。うーん、やっぱり不思議な世界だ。わたしは教会入り口で待つことにした。しばらくすると、ミド…

いつつめ

呆然と崩れた家とリンクを見ていたけど、わたしははっと気がついた。地面に、血痕。「リンク!怪我してる!」わたしはリンクに駆け寄った。見ると左前足に引っかき傷ができていて、血がでていた。きっと壁に体当たりしたときだ。ミドナが呆れたように、「あー…

よっつめ

「ここは……気配はするが、姿が見えないな」ある家に入ったとき、ミドナが辺りを見回しながら言った。リンクもしきりに視線を動かしている。わたしはもとより姿はおろか気配も感じないので、どうしようもない。それでもなんとかしてあげたいなと思って、あち…

みっつめ

わたしは言われたとおり、家のドアを開けたり物を動かしたりして、蟲のいる(らしい)場所まで誘導した。リンクが見えない蟲めがけて飛び掛っていったりする姿はちょっと怖いけど、我慢する。そういえば、気になっていたんだけど。「リンクって、どうして足か…

ふたつめ

誰も、いない……?おかしいな、レナードさんがどこかに出かけているにしても、誰かしらは教会にいるはずなのに。それに、今気づいたけど。村の中を歩いている人が一人もいなかった。どういうことなの……?「あーあ、やっぱりな」後ろにいたミドナが中を覗き…

ひとつめ

――どういうことだ?トワイライトにいて魂化しないなんて……。――ワウ……。――まあいい。とりあえず起こしてやるか。誰が、誰を起こすって?はっきりしない頭で考えたとき、大きく体が揺さぶられた。「おい起きろよ」「うーん」頭が痛い……わたし、なに…