ゼルダ短編

寂夜

明かりを消す。窓から差し込む月の光だけが、わたしの部屋をてらした。冷たい布団に潜り込み、体をぎゅっと丸める。「おやすみなさい」返ってくる言葉は、ないけれど。今はいない同居人に向けて。彼、リンクは、今どうしてるだろうか。月明かりの下で、眠って…

ドジな子

がちゃん。派手な音を立てて、壷が割れてしまった。「はドジだなー」「う、うるさいな」あわてて屈み、破片を拾おうとすると、リンクに制されてしまった。危ないから、とわたしをのけてさっさと破片を拾い集めてしまう。もう、子供みたいな扱いして!「昔から…

もっと見せてよ

「……?」「ん、なにリンク?」わたしは料理する手を止めないまま、返事をした。「髪の毛。上げてるから驚いたよ」「ああ、ちょっと邪魔になってきたからね。で、何か用事?ごめん今ちょっと手が離せないんだ」「そっか。じゃあ後でいいよ」……とは言ったも…

離れてやらない

「ねーリンク。いい加減離れてよー」「んー……」さっきからこうして、リンクがわたしの背中にひっついたまま離れようとしない。「ね、もうそろそろご飯作らないといけないから」「後でいいだろ」「リンクー……」何を言っても、動く気配がない。わたしは困り…