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	<title>ダークといっしょ &#8211; 揺れる</title>
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	<title>ダークといっしょ &#8211; 揺れる</title>
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		<title>閑話・リンクがきた</title>
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		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:26:51 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[「あれ？」 いつものように丘に行くと、ダークと一緒に知らない人が座っていた。 「こんにちは」 「こ、こんにちは」 挨拶して、ぎょっとした。 ダークと同じ顔してる。まるで色違いみたいだ。 その人は、緑色の服を着ていて、髪は...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e9%96%91%e8%a9%b1%e3%83%bb%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%af%e3%81%8c%e3%81%8d%e3%81%9f/" title="続きを読む閑話・リンクがきた">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>「あれ？」</p>
<p>いつものように丘に行くと、ダークと一緒に知らない人が座っていた。</p>
<p>「こんにちは」</p>
<p>「こ、こんにちは」</p>
<p>挨拶して、ぎょっとした。<br />
ダークと同じ顔してる。まるで色違いみたいだ。<br />
その人は、緑色の服を着ていて、髪は金髪、目の色は青だった。<br />
もしかして、</p>
<p>「あの、リンクさん、ですか？」</p>
<p>ダークが話していた、時の勇者さんかも。</p>
<p>「そうだよ。君が未登録名前？」</p>
<p>「はい、そうです」</p>
<p>「はは。敬語はいらないよ。名前も呼び捨てでいいし」</p>
<p>リンクさん、いや、リンクは朗らかに笑った。<br />
わ、ダークと同じ顔で笑ってる。なんだか照れるなあ。</p>
<p>「わざわざ俺の様子見に来たんだと。全く暇なヤツ」</p>
<p>ダークはわざとらしくため息をついてみせる。</p>
<p>「そんな言い方しなくても。せっかくきてくれたのに」</p>
<p>「お前どっちの味方だ」</p>
<p>「二人とも仲がいいんだね」</p>
<p>くすくすと笑うリンク。</p>
<p>「ダークにこんな可愛い子がいるなんてね」</p>
<p>「えっそんな可愛いなんて」</p>
<p>「お世辞じゃないよ。未登録名前は可愛い」</p>
<p>そんなふうに連呼されると、嬉しいけど恥ずかしい。<br />
結構、恥ずかしいことを平気で言える人なんだなあ。<br />
なんて返そうか迷ってるうちに、ダークが。</p>
<p>「……馴れ馴れしくこいつの名前呼んでんじゃねーよ」</p>
<p>「っわ」</p>
<p>これ以上ないってくらい不機嫌な声と一緒に、肩にまわされる腕。<br />
わたしはダークの腕の中におさまってしまう。<br />
ちょ、ちょっと、嬉しいけど、人前だと恥ずかしいよ！</p>
<p>「あれ、もしかして嫉妬した？」</p>
<p>リンクは面白そうに笑ってるし！</p>
<p>「違う。コレは俺の所有物だから勝手なことすんな」</p>
<p>「コレって……」</p>
<p>わたしはモノ扱いか。</p>
<p>「わかったわかった。僕はお邪魔みたいだから、もう行くよ」</p>
<p>「そうだそうしろ」</p>
<p>「こらダーク！ご、ごめんね。今度はゆっくり、お茶でもしながら」</p>
<p>「いいよ、お気遣いなく。じゃ、またね」</p>
<p>リンクはそう言って、ひらひら手を振りながら去っていった。<br />
姿が完全に見えなくなるころ、わたしはおずおずとダークに言った。</p>
<p>「……あの、いつまでこうして？」</p>
<p>「お前もあいつ相手にへらへらすんな」</p>
<p>腕の力が強くなる。<br />
リンクが言ってた、ダークは嫉妬してるんだって。<br />
わたしにもわかるよ。そう思うと、なんだか嬉しくなって笑みがこぼれた。</p>
<p>「安心してよ、わたしはダークしか見てないから」</p>
<p>「本当だろうな」</p>
<p>「本当だよ」</p>
<p>「……なら、いい」</p>
<p>そういいつつも、ダークはわたしを離そうとしない。<br />
まったく子供みたいなんだから。<br />
今日はダークの気の済むまでこうしててあげよう。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>まものとにんげんのこい</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%be%e3%82%82%e3%81%ae%e3%81%a8%e3%81%ab%e3%82%93%e3%81%92%e3%82%93%e3%81%ae%e3%81%93%e3%81%84/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:25:52 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[「ん、今日は早いな」 「うん。ちょっとやることがあってね」 わたしはいつもよ少し早く、丘に来た。 ダークはちょっと嬉しそう……に見えたけど、気のせいかもしれない。 「今日は森できのこを採ってくるから」 「一人でか？」 「...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%be%e3%82%82%e3%81%ae%e3%81%a8%e3%81%ab%e3%82%93%e3%81%92%e3%82%93%e3%81%ae%e3%81%93%e3%81%84/" title="続きを読むまものとにんげんのこい">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>「ん、今日は早いな」</p>
<p>「うん。ちょっとやることがあってね」</p>
<p>わたしはいつもよ少し早く、丘に来た。<br />
ダークはちょっと嬉しそう……に見えたけど、気のせいかもしれない。</p>
<p>「今日は森できのこを採ってくるから」</p>
<p>「一人でか？」</p>
<p>「そうだけど」</p>
<p>「駄目だ！」</p>
<p>ダークがいきなり大きな声をあげたので、驚いた。</p>
<p>「どうして？」</p>
<p>「そりゃぁお前……女が一人で森とか、危ないだろうが」</p>
<p>わたしはまた驚いた。<br />
まさかダークが心配してくれるなんて！</p>
<p>「ありがとう。でも大丈夫だよ！いつも行ってるとこだし、魔物も出たことないし」</p>
<p>「だから安全ともいえないだろ」</p>
<p>本気で心配してくれてるようだった。<br />
わたしは嬉しく思ったけど、困ってしまう。</p>
<p>「でも採りに行かないと、もう食材ないしなあ」</p>
<p>「……俺が一緒に行ってやる」</p>
<p>「えっ」</p>
<p>ダークはそっぽを向きながら照れ臭そう言った。</p>
<p>「そうすりゃ、たとえ魔物に襲われても守ってやれるだろ」</p>
<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>「本当に、ありがとうダーク」</p>
<p>「別に。仮にも知り合いが死んじまったら寝覚めが悪いだけだ」</p>
<p>そんなふうに言ってるけど、ダークが心配してくれてるのはよくわかる。<br />
わたしたちは、並んで森の中を歩く。</p>
<p>「なにニヤニヤしてやがる」</p>
<p>「えへへ、ダークと一緒に散歩なんて嬉しくって」</p>
<p>「……そうかよ」</p>
<p>相変わらずぶっきらぼうだけど、さりげなく歩調を合わせてくれてる。<br />
やっぱり優しいよ、ダークは。<br />
と。</p>
<p>「あ……！？」</p>
<p>がさ、と茂みが動いたかと思ったら、三匹の狼が行く手を阻んだ。<br />
ううん、違う。</p>
<p>「へへ、こりゃラッキーだな」</p>
<p>「ああ、遠出した甲斐があった」</p>
<p>「うまそうなニンゲンだ」</p>
<p>言葉を話してる。<br />
これは、魔物！？<br />
わたしは数歩後ずさる。<br />
そんな、この森に魔物なんていないはずじゃ……！</p>
<p>「おい。俺が合図したら、走れ」</p>
<p>「で、でもダークは」</p>
<p>「こんなザコ、敵じゃねえよ。それよりもお前がいるほうが足でまといだ」</p>
<p>「そ、そか」</p>
<p>「なにくっちゃべってやがる！」</p>
<p>一匹の魔物が、ダークめがけて飛びかかった。<br />
ダークはどこからか出した剣で魔物をなぎ払う。<br />
魔物は横に飛んでかわした。</p>
<p>「行け！」</p>
<p>ダークが叫ぶ。<br />
わたしはダークに背を向けて走りだした。</p>
<p>「させるかよ！」</p>
<p>「きゃあ！」</p>
<p>魔物がわたしの前に立ちはだかる。<br />
わたしはすくんで動けなくなった。</p>
<p>「ハル！」</p>
<p>そのとき、わたしを呼ぶダークの声がした。</p>
<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>恐る恐る目を開けると、そこには。</p>
<p>「ひ……！」</p>
<p>あげようとした悲鳴がかすれた。<br />
真っ赤になって横たわる、動かなくなった魔物。<br />
その傍ら立つ、真っ赤になった剣を持つダーク。<br />
初めてわたしは、彼を恐ろしいと思ってしまった。<br />
助けてくれたのに。<br />
でも、飛び散った鮮血が、鉄の匂いが、恐怖を煽った。<br />
逃げ出したい。今すぐここから。<br />
しかし。</p>
<p>「怪我はねぇか」</p>
<p>ダークがこちらを向いて、言う。</p>
<p>「な……ない」</p>
<p>「そうか……」</p>
<p>瞬間、どさ、と彼が倒れた。</p>
<p>「ダーク！」</p>
<p>駆け寄るが、返事はない。<br />
見ると、わき腹から血が出ていた。<br />
黒い服だったから見えなかった……！</p>
<p>「ダーク！しっかりして！」</p>
<p>揺さぶるわけにもいかないので、口元に耳を近づける。<br />
呼吸はしてる。でも、すごく浅い。<br />
わたしは急いで、家に救急道具を取りに戻った。<br />
魔物にそんなもの必要ないって言われたことがあるけど、何もしないでいたら、死んでしまうかもしれない。<br />
そんなのは、絶対に嫌だ！<br />
わたしはダークと初めて会ったときのように、家から薬と包帯を持ってきた。本当は家に運びたかったけど、わたしの力ではダークを担ぐことさえできない。<br />
誰かを呼ぶ、ということも考えたけど、ダークが人間じゃないってわかったら、力なんて貸してくれない。<br />
わたしが、やるしかない。</p>
<p>（お願いダーク……死んじゃだめ！）</p>
<p>必死に介抱する。わき腹に消毒液をつけると、ダークが苦しそうに呻いた。<br />
ごめんね、ちょっとの辛抱だから。<br />
どくどくと流れる血はとまらない。たしか、こういうときってぎゅっとすればいいんだっけ。圧迫止血ってやつ。<br />
ガーゼを何重にもしてわき腹にあて、包帯で締め付ける。あっというまに血がにじみ、赤に染まる包帯。<br />
もう怖いなんていってられなかった。それよりダークが死んでしまうことのほうが怖かった。<br />
とりあえず応急手当はしたけど……大丈夫かな。<br />
いくら魔物だって、こんなに出血してたら危ないんじゃ。<br />
でも、わたしに出来ることといったらここまでしかない。<br />
後は、ダークを信じるしかない。</p>
<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>ダークの額にうかぶ汗を何度もぬぐっているうち、ダークが目を覚ました。</p>
<p>「よかった、ダーク！」</p>
<p>「う……」</p>
<p>ダークは焦点の定まらない瞳でこちらを見て、二、三度瞬きしてから、</p>
<p>「おまえっ……なんで！……っく」</p>
<p>「叫んだらだめだよ。ひどい怪我なんだから」</p>
<p>「な、んで……俺なんか、助けてるんだ、よ」</p>
<p>「なんでって」</p>
<p>そんなの、答えはひとつしかない。</p>
<p>「ダークが死んじゃったら、嫌だから」</p>
<p>「……俺のこと、怖いって、思っただろ」</p>
<p>言われて、どきりとする。<br />
確かにわたしは、ダークのこと、一瞬でも怖いって思った。<br />
あの返り血まみれの姿は、恐ろしい魔物だった。</p>
<p>「だから、もう、関わるな……俺のことは、放っておけ」</p>
<p>怖かった。でも、でも。</p>
<p>「わたしはダークと一緒にいたいよ」</p>
<p>「は……」</p>
<p>「あの時は、ちょっと怖かった。でもそれはわたしを助けるためで、望んでやったことじゃない」</p>
<p>「……」</p>
<p>「もう一度言うよ。わたしはダークと一緒にいたい。わたしには、ダークが必要なの」</p>
<p>わたしの言葉を聞き終えたダークは、ふーっと息をつき、体を起こした。</p>
<p>「あっまだだめだって！」</p>
<p>「もう血は止まった。魔物の回復力なめんな」</p>
<p>「そ、そうなの」</p>
<p>「…………俺は、誰かに必要とされるような、そんな存在じゃない」</p>
<p>「ダーク？」</p>
<p>ダークの言葉は、疲れているような、なにかをあきらめているような。<br />
そんな、空虚な言葉だった。</p>
<p>「お前、聞いたことないか。時の勇者の話を」</p>
<p>「え、まぁ、一応知ってるけど。時を超えてハイラルを救ったっていう勇者の話でしょ？顔は、みたことないけど」</p>
<p>「……俺は、その影として生み出された魔物だ」</p>
<p>「え……」</p>
<p>「本当の名前は、ダークリンク。っつっても、通称みたいなもんだったが」</p>
<p>「リンク」</p>
<p>その名前は。<br />
彼が自分の話をしようとしなかった理由。</p>
<p>「作られたときは、散々な言われようだった。なにせあいつと同じ顔してるんだからな。同じ魔物からも憎まれた。忌々しい、ってな」</p>
<p>わたしは何も言えずに、ダークの話を聞いていた。</p>
<p>「だから俺は誰からも必要とされない。されるわけがない。あいつの影背負っているんだ、ろくなもんじゃねえ」</p>
<p>「……」</p>
<p>「お前も、もう俺にかまうな。俺といたって、いいことなんかなにも」</p>
<p>「バカッ！」</p>
<p>ぱちん</p>
<p>ダークの頬を、思い切りうっていた。</p>
<p>「なんでそういうこと言うの！？わたしは、ダークが必要だって言ってるでしょ！」</p>
<p>「お前」</p>
<p>「ダークが誰の影でも、誰からも必要とされなくても！わたしだけは、ダークのこと見てるよ。ダークリンクじゃなくて、ダークのこと！……だから、そんなふうに言わないで……わたし、わたし」</p>
<p>視界がにじむ。<br />
きっとわたし、今泣いてる。</p>
<p>「ダークのこと好きだもん」</p>
<p>なにかが決壊したみたいに、一気に涙があふれた。<br />
両手で顔を覆い、しゃくりあげる。<br />
ついに言ってしまった、という後悔よりも、ダークが自分のことをそんなふうに卑下するのが許せなかった。<br />
あなたのこと少しでも慕ってる人がここにいるから、そんなふうに言わないで。<br />
こんなにもあなたのこと好きだから。<br />
泣いてしまうくらい、好きだから。</p>
<p>「……悪かった」</p>
<p>優しい、声だった。今まで聴いたことないくらい。<br />
顔をあげようとしたら、ぐいと引き寄せられた。</p>
<p>「だ、ダーク」</p>
<p>「じっとしてろ」</p>
<p>ダークの胸に押し当てられる。わたし今、ダークに抱きしめられてるんだ。</p>
<p>「誰かにそんなこと言われたのは、初めてだ。だから、その……くそ、なんて言ったらいいんだ？」</p>
<p>「……そういうときは、嬉しいって言うんだよ」</p>
<p>「嬉しい？」</p>
<p>「そう」</p>
<p>わたしは目線をダークにあわせて、</p>
<p>「誰かからなにかしてらったときとか。あったかい言葉をもらったら、嬉しいって言うの」</p>
<p>「嬉しい、か。これが……なんか、あれだ。胸の奥が暖かい」</p>
<p>「うん」</p>
<p>「そうか……」</p>
<p>ダークは、少し笑った。</p>
<p>「わ。ダークの笑顔初めて見る。かわいいなあ」</p>
<p>「だから、男にかわいいとか言うな」</p>
<p>「ごめんごめん。……っわ」</p>
<p>「許さねーからしばらく離してやらねー」</p>
<p>腕にちからをこめるダーク。<br />
わたしは嬉しくて、笑ってしまった。</p>
<p>「……お前」</p>
<p>「なに？」</p>
<p>「さっき俺のこと、好きだって言ってくれたな？」</p>
<p>「あ」</p>
<p>そ、そうだった。<br />
流れでつい言ってしまったが、わたし、ダークに、こ、告白しちゃったんだ！<br />
変な汗がどっとでる。<br />
ダークの顔が見られなくなり、視線をそらして言う。</p>
<p>「さ、さっきのは忘れて！聞かなかったことにして！あれは、その……」</p>
<p>「俺もお前のことが好きだ」</p>
<p>「……え」</p>
<p>「聞こえなかったか？」</p>
<p>「き、聞こえた！」</p>
<p>うそ、うそ。<br />
だって、ダークとわたしは種族が違って、それで……。<br />
でもそれ自分で否定してたけど……。</p>
<p>「ずっと、この気持ちがなんだかわからなかった。でもお前に言われたら、わかったんだ。俺、お前のこと好きだ」</p>
<p>「ダーク……」</p>
<p>はにかむ彼の顔は、今まで見たどの表情よりも、素敵に見えた。<br />
思わず見とれてしまう。元々、ダークの顔って整ってるんだもの。<br />
それに。</p>
<p>「わたし、ダークがわたしのこと想ってくれてるなんて、思いもしなかった」</p>
<p>熱に浮かされたように、頭がぼうっとする。<br />
きっとわたしのことなんて相手にしてないと思っていたから。<br />
まさかダークも同じこと考えてたなんて。<br />
わたしは嬉しくて、ダークの胸に顔をうずめる。</p>
<p>「嬉しい。本当に嬉しいよダーク」</p>
<p>ダークが、優しくわたしの髪をなでる。</p>
<p>「これから、一緒にいてくれるか？」</p>
<p>「うん。ずっと」</p>
<p>「……う、嬉しい」</p>
<p>少し照れたように言うダーク。<br />
まだ慣れてないんだなあ。</p>
<p>「今笑ったか」</p>
<p>「わっ笑ってない」</p>
<p>「本当か？」</p>
<p>「本当だって！」</p>
<p>ああ、なんて「嬉しい」んだろう。<br />
こんな気持ちになれるのは、ダークのおかげ。</p>
<p>「大好きだよ。ダーク」</p>
<p>「俺も、だ」</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<title>ねがいごと</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%ad%e3%81%8c%e3%81%84%e3%81%94%e3%81%a8/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:24:37 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[今日は、アイツが来なかった。 いつもなら昼前に来て弁当を持ってくるはずなのに、夕方を過ぎても姿を見せなかった。 いや、そもそもこんなところに毎日来るほうが異常なのであって、別に俺が気にするようなことではないのだ。 そう。...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%ad%e3%81%8c%e3%81%84%e3%81%94%e3%81%a8/" title="続きを読むねがいごと">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>今日は、アイツが来なかった。<br />
いつもなら昼前に来て弁当を持ってくるはずなのに、夕方を過ぎても姿を見せなかった。<br />
いや、そもそもこんなところに毎日来るほうが異常なのであって、別に俺が気にするようなことではないのだ。<br />
そう。大したことじゃない。<br />
……なのになんで俺は、アイツのことが気になってるんだ。<br />
クソッタレ。こんな気分になるのもアイツのせいだ。アイツが、アイツが。<br />
いらいらし始めた俺はごろっと横になって目を閉じた。<br />
今日はもう寝てやる。明日アイツがきたら、怒鳴りつけてやる。そう心に誓って。</p>
<p>そのとき、ぱたぱたと走る音が聞こえたので。<br />
俺は反射的に飛び起きていた。</p>
<p>「はあ、ごめ、だー、く……っはあ、はあ、遅くなって！」</p>
<p>「お前……」</p>
<p>息を切らして、アイツがやってきた。<br />
俺は立ち上がり、心に決めていたことを実行する。</p>
<p>「バカやろう！遅くなるならなるって言えよ！」</p>
<p>「えっ」</p>
<p>しまった。<br />
これでは俺がコイツを待ち望んでいたようじゃないか。</p>
<p>「いやっそうじゃなく。いつもの日課を忘れんじゃねえって」</p>
<p>「ダーク」</p>
<p>ああくそ。嬉しそうにすんなバカ。<br />
俺は気まずくなって視線をそらした。<br />
奴はくすくすと笑って、</p>
<p>「あのね、今日は特別なの」</p>
<p>「はあ？」</p>
<p>「学者さんが言うにはね。今夜、流れ星がたくさん見えるんだって。それをダークと一緒に見たくて」</p>
<p>と、コイツははしゃいだ様子で言った。<br />
たかだか流れ星で、と思ったが楽しそうにしているコイツの手前、口にはしなかった。</p>
<p>「夜食も持ってきたよ」</p>
<p>いつものバスケットを差し出す。中身は焼きたてのパンケーキ。水筒も用意されていた。<br />
そして当然のように俺の横に座り、空を見上げた。</p>
<p>「晴れてよかったなあ。星がよく見えるね」</p>
<p>「……そうだな」</p>
<p>なぜだろう。<br />
今夜はやけに、素直になってしまう。<br />
こいつも驚いたように俺を見た。俺は気恥ずかしくなって眼を背ける。するとこいつがくすくす笑うので、軽く頭を小突いてやった。こいつはわざとらしく頭をかかえて、抗議する。</p>
<p>「暴力反対だよー」</p>
<p>「大して痛かねーだろ」</p>
<p>「痛い痛くないの問題ではないのだよ。行為が問題なの」</p>
<p>「知るか」</p>
<p>「さっき素直だと思ったのにー」</p>
<p>ふてくされて、口を尖らせている。<br />
そんなもん、俺の気分だからな。お前に合わせてるわけじゃない。<br />
俺はなにげなく空を見上げた。星は相変わらず、自己を主張するように瞬いている。</p>
<p>す、と一筋の星が流れた。</p>
<p>「……今星が流れた」</p>
<p>「えっほんとう！？みのがしたあ！」</p>
<p>心底悔しそうに叫んで、がっくり肩を落とした。<br />
おいおい。今日はたくさん流れるんだろう。ひとつ見逃したくらいで気を落とすな。<br />
そう言ってやると、こいつは頭を振って、</p>
<p>「あのね、流れ星を見たら、消えるまでに３回願い事をするんだ。するとその願いが叶うんだよ」</p>
<p>なんだそれ。流れ星が消えるなんて一瞬じゃねえか。その間に３回も願いを唱えるなんて、どう考えたって無理な話だ。<br />
しかしこいつはその話をマジメに信じているようで、力説した。</p>
<p>「難しいけど、これは神様がくれたチャンスなんだよ。だから、見逃しちゃだめなの。いつか３回、言えるかもしれないから」</p>
<p>そう言って、空を見始めた。今度は見逃すまいと、眉間にしわを寄せて。<br />
……こいつがそこまでして叶えたい願いって、なんだ？<br />
普段の能天気ぶりを見ていると、そんな大それた願いなんて抱いているようには見えない。<br />
しかし、ここまで懸命になれるのは、その願いとやらがよほど大切なのだろう。</p>
<p>「なにをそんなに叶えたいんだよ」</p>
<p>俺が聞くと、</p>
<p>「そっそんなの内緒だよ！」</p>
<p>なぜか顔を真っ赤にさせて、動揺していた。</p>
<p>「……よくわかんねえ」</p>
<p>「ダークには願い事、ないの？」</p>
<p>願い。<br />
俺がかつて願ったこと。</p>
<p>「ない」</p>
<p>きっぱりと答えた。<br />
そうだ、俺には願いなんてない。</p>
<p>「そっかあ、でもね」</p>
<p>こいつはにこりと笑って、</p>
<p>「いつかできるよ。大切な願い事」</p>
<p>「……根拠は」</p>
<p>「うーん。わたしがそうだから、かな？」</p>
<p>答えになってない。</p>
<p>「生きていれば、絶対できることだよ。願いって、そういうものだよ」</p>
<p>「別にいらねえし」</p>
<p>「えー」</p>
<p>「俺はお前と毎日過ごせればいい」</p>
<p>「……えぇ？」</p>
<p>はっと気がついた。<br />
俺は今、なんていった？</p>
<p>「いや違う！そうじゃない！」</p>
<p>慌てて否定するが、言い訳が思いつかなかった。<br />
こいつは俺の顔をにやにやしながら見つめた。</p>
<p>「そっかぁ～、うんうん、ダークの中でわたしは結構な位置を占めてるのだね。嬉しいよ」</p>
<p>「違うっつってんだろ！」</p>
<p>「照れない照れない」</p>
<p>だから違う！</p>
<p>「そういやお前、流れ星は見つけなくていいのかよ」</p>
<p>なんとか話題をそらしたくて、適当なことを言う。<br />
自分から話かけておいて言うことじゃない、とは頭の片隅で思っていたが咄嗟に出た言葉がそれだったのでしょうがない。</p>
<p>「いや、もう大丈夫」</p>
<p>「は？」</p>
<p>なにが大丈夫なんだ。あんなに張り切ってたくせに。</p>
<p>「もう半分くらいは叶っちゃったから」</p>
<p>そう言って笑うこいつの顔は、本当に幸せそうだった。<br />
半分は叶った？どういうことだ。</p>
<div style="height:80px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>俺がこの時の意味を知るのは、もう少しあとのこと。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<title>おかえし</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%8a%e3%81%8b%e3%81%88%e3%81%97/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:23:40 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[いつものように丘に登ると、そこにダークの姿はなかった。 どこかに出かけているんだろうか。珍しいな、とわたしは思った。 お弁当、作ってきたんだけどな。今日はお弁当箱におかずをいっぱいつめて、自家製のパンをつけて。卵焼きも甘...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%8a%e3%81%8b%e3%81%88%e3%81%97/" title="続きを読むおかえし">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>いつものように丘に登ると、そこにダークの姿はなかった。<br />
どこかに出かけているんだろうか。珍しいな、とわたしは思った。<br />
お弁当、作ってきたんだけどな。今日はお弁当箱におかずをいっぱいつめて、自家製のパンをつけて。卵焼きも甘くして、張り切った。<br />
でもいないなら仕方ない。待っていればそのうちくるだろうと、いつもはダークが座っているところに座った。</p>
<p>しかし、待てど暮らせどダークがやってくる気配はない。<br />
日はだいぶ傾き、夕方にさしかかろうとしている。<br />
おかしい。こんなに待ってもこないなんて。ダークが他に行くところなんて……。<br />
まさか。<br />
本当は、ダークにもちゃんと帰るところがあるのかもしれない。わたしが毎日ここにくるから、仕方なくつきあってくれたのかもしれない。わたしにあわせるのに疲れて、帰るべき場所に帰ってしまったのかもしれない。もうここには戻ってこないのかもしれない……<br />
考え出したらとまらない。不安が波になって襲ってきた。足をぎゅっと抱え込む。目頭が熱くなった。泣いたって、ダークが戻ってくるわけじゃない。のは、わかっているけれど。</p>
<p>「……お前？」</p>
<p>その時、聞きなれた声がした。<br />
弾かれたように顔をあげると、そこには。</p>
<p>「ダーク……！」</p>
<p>「おい、お前なに泣いて」</p>
<p>「う、うあああん！」</p>
<p>ダーク。ダークが戻ってきた。わたしは思わず、ダークに抱きついていた。泣きながら、彼の胸に飛び込む。</p>
<p>「お、おい！」</p>
<p>「よかっ、た……ダーク、もう、戻ってこないかと、思って……」</p>
<p>わんわん泣き続けるわたし。ダークはため息をつきながらも、わたしの背中に腕をまわしてくれた。</p>
<p>「俺はここにいる。もう泣くな」</p>
<p>「う、ん……」</p>
<p>戻ってきてくれて、本当によかった。その安心感が胸のうちに広がっていく。涙は、もう止まっていた。</p>
<p>「ねえ、どこに行ってたの？」</p>
<p>聞けなかったことを聞いた。ダークがどこかに出かけているなんて珍しいことだから。<br />
しかし、ダークはなぜか言いにくそうにしている。</p>
<p>「どうしたの？」</p>
<p>「あー……その、な」</p>
<p>ダークはわたしから離れると、右手を差し出した。<br />
その手には、淡いピンク色の花が握られていた。</p>
<p>「どうしたのこれ？」</p>
<p>「……お前に、やる」</p>
<p>「え？」</p>
<p>ダークは視線をあわさずに、</p>
<p>「ここんとこ、俺に、弁当作ってくるだろ……だから、その。あーつまり代わりだ！受け取れよ！」</p>
<p>なぜか怒りながらずいと差し出される花。わたしは目をぱちくりさせた後、にっこり笑って、両手で受け取った。</p>
<p>「ありがとう、ダーク。嬉しいよ！」</p>
<p>「そ、そおか」</p>
<p>相変わらず視線を合わせようとしないけど、少し頬に赤みが増している。<br />
まさかダークから贈り物をされるとは思わず、わたしは本当に嬉しかった。そうか、お礼をしたかったから、花を探してくれたんだ。魔物であるダークが人間の好みを知ってるのには驚きだけど、こんな時間まで一生懸命探してくれたんだと思うと、頬が緩んだ。</p>
<p>「なにニヤニヤしてやがる」</p>
<p>「やっぱりダークって優しいね！」</p>
<p>「な、違う！俺は、やられっぱなしが嫌だっただけだ！」</p>
<p>「はいはい」</p>
<p>「本当だからな！」</p>
<p>そういうの、優しいっていうんだよダーク。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<title>おべんとう</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%8a%e3%81%b9%e3%82%93%e3%81%a8%e3%81%86/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:22:01 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[その日、わたしは緊張していた。 なぜかと言うと、初めてダークにお弁当を作ってきたからだ。 いつも話相手になってくれるから、そのお礼のつもりで。 魔物とはいえ食事くらいするだろうと思ったんだけど……よく考えたらダークが食べ...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%8a%e3%81%b9%e3%82%93%e3%81%a8%e3%81%86/" title="続きを読むおべんとう">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>その日、わたしは緊張していた。<br />
なぜかと言うと、初めてダークにお弁当を作ってきたからだ。<br />
いつも話相手になってくれるから、そのお礼のつもりで。<br />
魔物とはいえ食事くらいするだろうと思ったんだけど……よく考えたらダークが食べてるとこ見たことない。<br />
大丈夫かな、でもせっかく早起きして作ってきたんだし、食べてもらいたい。<br />
どきどきしながら、丘の上にのぼった。</p>
<p>「や、やっほーダーク」</p>
<p>「お前か……なんだそれ」</p>
<p>早速ダークがわたしの手の中にあるバスケットに目を向ける。</p>
<p>「えっと、お弁当作ってきたの！よかったら一緒に……」</p>
<p>「いらねえ。俺はモノは食わない」</p>
<p>きっぱりとダークは言った。<br />
ずうん、と言葉が重くのしかかった。<br />
そっか。食べないのか。じゃあ、仕方が無いよね。</p>
<p>「ごめん、余計なことして……今日はもう、帰るね」</p>
<p>正直、ちょっと泣きそうだった。<br />
断られた。ただそれだけなのに、鼻の奥がツンとする。<br />
そんなみっともない姿を見られるのが嫌で、わたしは踵を返した。</p>
<p>「ま、待て！」</p>
<p>「っきゃ」</p>
<p>ダークに肩を掴まれた。<br />
無理やり振り向かされて、転びそうになる。</p>
<p>「……食ってやる」</p>
<p>「え、でも、」</p>
<p>「食ってやるって言ってんだ」</p>
<p>ひったくるようにバスケットを奪われる。<br />
中身はチキンサンドと卵焼き、手製ドレッシングのサラダ。<br />
ダークはチキンサンドを手に取るとばくっとかぶりついた。</p>
<p>「……うまい」</p>
<p>「味わかるんだ！」</p>
<p>「驚くとこそこかよ！」</p>
<p>いやだって、食べないっていうからてっきり味も分からないものかと。<br />
そう言うと、ダークはふんと鼻を鳴らした。</p>
<p>「生きるのに不要なだけだ。良し悪しくらいは分かる」</p>
<p>「そ、そうなんだ」</p>
<p>ダークはひとつめのサンドを食べ終えると二つめに手を出した。<br />
よかった、断られたときはどうしようかと思ったけど。<br />
わたしは自然と笑みがこぼれた。</p>
<p>「ダークに喜んでもらえて嬉しいよ」</p>
<p>「……」</p>
<p>ダークは何も言わずに食べ続けている。<br />
まあ、否定はしないってことで、いいように解釈していいのかな？<br />
おっと、はやくしないとわたしの分がなくなる。<br />
四つ持ってきたからね。一人二個。<br />
ダークの隣に座って、サンドを食べる。</p>
<p>「青空の下で食べるとおいしーねー」</p>
<p>「……俺は」</p>
<p>「うん？」</p>
<p>「俺は、青色は嫌いだ」</p>
<p>「え、そうなんだ。なんで？」</p>
<p>「なんでもいいだろ」</p>
<p>ダークが少し不機嫌になるので、わたしはそれ以上なにも言わなかった。<br />
どうして青色がきらいなのかな。赤色のほうが好きだから？（目とピアスが赤いし）</p>
<p>「あ、お茶も持ってきたんだけどいる？」</p>
<p>「……ん」</p>
<p>片手だけをこちらに差し出す。<br />
もう、子供みたいなんだから。苦笑して、水筒にいれてきた温かいお茶を一緒に持ってきたカップに注いで、ダークに渡す。<br />
ダークはぐいと飲み干して、また食べる。</p>
<p>「卵焼きは甘いのとしょっぱいのがあるんだけど、どっちがいい？」</p>
<p>「甘いほう」</p>
<p>「ほお、ダークさんは甘いのがすきですかー」</p>
<p>「なんだよ悪いか」</p>
<p>「んーん。かわいいなあと思って」</p>
<p>「だからかわいいって言うな」</p>
<p>「はいはい。甘いのはこっち側だからねー」</p>
<p>「……あやすように言うなバカ」</p>
<p>「だーかーらー、未登録名前って呼んでよって言ってるじゃん」</p>
<p>「お前なんかバカで十分だ、バカ」</p>
<p>「ほんとうにひどいなーダークは」</p>
<p>ま、そんなことで怒ったりなんかしないけどね。</p>
<p>しばらくすると、バスケットはすっかり空になってしまった。<br />
食べないといいつつ、ほとんどはダークが食べてしまった。変なの。<br />
でも嬉しくて、わたしはニコニコ笑顔をダークに向けた。</p>
<p>「ダークと一緒にご飯食べるの、夢だったんだー」</p>
<p>「……そうかよ」</p>
<p>「えー淡白。女の子が一生懸命お弁当作ってきたんだよ、なにか感じるところはないの？」</p>
<p>「自分でソレを言うのはどうなんだ」</p>
<p>「やっぱり？我ながらちょっと恥ずかしかった」</p>
<p>「なら言うなよ……」</p>
<p>「だってさー」</p>
<p>その先を言ったら、きっとダークはあきれると思うから。<br />
わたしは黙ってしまった。<br />
ダークのことが好きだから、なんて、言えるわけがないんだ。</p>
<p>「…………また、作ってこい」</p>
<p>「え？」</p>
<p>「二度はいわねえ」</p>
<p>ダーク、また作ってこいって言った？<br />
ほんとうに？</p>
<p>「ありがとう！また作るね！」</p>
<p>「……ああ」</p>
<p>ダークが少しだけ笑った気がした。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>にちじょう</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%ab%e3%81%a1%e3%81%98%e3%82%87%e3%81%86/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:21:05 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[「やっほーダーク……あれ」 いつもの丘にいくと、ダークは眠っていた。 起こすのもかわいそうなので、起きるのを待つことにした。 魔物でも眠ることがあるのか、と感心しながら隣に座る。 改めて見ても、かっこいいなぁ。 これで人...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%ab%e3%81%a1%e3%81%98%e3%82%87%e3%81%86/" title="続きを読むにちじょう">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>「やっほーダーク……あれ」</p>
<p>いつもの丘にいくと、ダークは眠っていた。<br />
起こすのもかわいそうなので、起きるのを待つことにした。<br />
魔物でも眠ることがあるのか、と感心しながら隣に座る。<br />
改めて見ても、かっこいいなぁ。<br />
これで人間だったら、きっともてただろうな。<br />
あ、でもそうしたらわたし以外の人にも知られることになるのか。それは困る。</p>
<p>「……ん」</p>
<p>一瞬起きたのかと思ったけど、寝返りをうっただけだった。<br />
体をわたしのほうに向けて、腕をまくらにしている。<br />
こうしていると、初めて会ったときのことを思い出す。<br />
あの時もこうして、ダークは木の下にいた。</p>
<div style="height:80px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>森で山菜を採った帰り、急に雨に降られたわたしは、丘にある木の下で雨宿りしようと駆け込んだ。<br />
そこに、誰かが倒れているのに気がついた。<br />
傷だらけで、仰向けに寝ていて、浅い呼吸を繰り返している。瀕死だということはすぐに分かった。<br />
どうしよう、とうろたえていると、かっと彼の目が開いた。</p>
<p>「何見てんだ……殺すぞ」</p>
<p>その迫力にたじろぐも、彼のうめき声で我に帰った。<br />
この人は、死にそうなんだ。すぐ助けないと。<br />
わたしは雨の中急いで走って、家からありったけの薬と包帯を持って丘に戻った。</p>
<p>「バカ野郎、何で戻ってきた」<br />
「あなたを助けたいから」</p>
<p>彼が睨んできても、構わず手当てを始めた。触るな、とか放っておけ、とか色々叫んでいたけど、わたしは助けたい一心だったので気にならなかった。<br />
あらかたの治療、応急手当を終えるころには、彼もおとなしくなっていて、包帯が巻かれた腕や足を見つめていた。</p>
<p>「これだけじゃ、すぐ傷がひらいちゃう。医者を呼んでこないと」<br />
「いらねえよ、そんなもん」<br />
「でも……」</p>
<p>彼は鼻で笑い、</p>
<p>「気がつかなかったのか？俺は魔物なんだぜ。肌の色が違うだろ」</p>
<p>言われて、初めてそこで気がついた。</p>
<p>「ついでに言うと、こんな傷明日になりゃ治る」</p>
<p>だから手当ての意味がない、と彼は言いたかったんだろうけど。<br />
わたしはそれよりも、彼が死なないということに安堵していた。</p>
<p>「よかった」</p>
<p>というと、彼は目を見張り、</p>
<p>「お前のしたことは無駄だったって言ってんだぞ」<br />
「でもあなたが助かるなら、いいよ」</p>
<p>笑顔で言うと、彼は呆れたように肩をすくめた。</p>
<p>「魔物に向かって、助かってよかった、なんて、初めて聞いたぜ。なぁ、なんで俺を助けたんだ？」<br />
「なんでって……そりゃあ、誰かが怪我してたら、助けるのが当たり前だし」<br />
「俺は魔物だっつってんだろ」<br />
「変わらないよ。生きてることには」<br />
「……変なヤツ」</p>
<p>はぁ、と彼は大きな溜め息をついた。<br />
そんなに可笑しなことを言ったつもりはなかった。<br />
確かに魔物は怖いし、へたをしたら殺されてしまっていたかもしれない。<br />
でも彼はわたしを殺そうとはしなかった。<br />
理由なんて、それで十分じゃないかな。</p>
<p>「ねえ、名前はなんていうの？わたしは未登録名前っていうの」</p>
<p>ややあって、</p>
<p>「ダーク」</p>
<p>ぽつりと呟くように彼は答えた。</p>
<div style="height:80px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>それからわたしは、毎日決まった時間にダークのもとへ足を運ぶことにした。<br />
最初はあまり会話らしい会話はなかったけど、あしげく通ううちに話を聞いてくれるくらいにはなった。<br />
自分の話は、しないけど。</p>
<p>「……う、ん……？」<br />
「あ、ダーク起きた？」</p>
<p>顔を覗き込むと、ダークはがばっと跳ね起きて、</p>
<p>「ななな、なんでお前がここにいるんだよ！？」<br />
「なんでって……今更だよ、それ」</p>
<p>起きたばかりで動揺してるのかな。</p>
<p>「来てるなら起こせよ！」<br />
「だってよく寝てたから。起こすのよくないと思って」<br />
「は、恥ずかしいだろうが……！」<br />
「なにが？」</p>
<p>ダークはもごもごと言いにくそうにして。</p>
<p>「……寝顔、見られるのが」<br />
「……っぷ、」</p>
<p>あまりにかわいい答えだったので、思わず吹き出していた。<br />
ダークは顔を真っ赤にして怒った。</p>
<p>「笑うな！」<br />
「だって……くく」<br />
「あーくそ、最悪だ！」</p>
<p>わたしは珍しいものが見られて嬉しいけどね！</p>
<p>「まあいいじゃない。寝顔かわいかったよ」<br />
「言うな恥ずかしい！」<br />
「はいはい」</p>
<p>初めて会った時より、ずいぶん雰囲気が柔らかくなったな、とわたしは思った。<br />
それって、わたしに心開いてるってことなのかな？<br />
そう思ったら、少し嬉しくなって、ダークににこりと笑いかけた。</p>
<p>「なんだよ、急に」<br />
「なんでもないよ」</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
		<post-id xmlns="com-wordpress:feed-additions:1">727</post-id>	</item>
		<item>
		<title>であい</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%a7%e3%81%82%e3%81%84/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Jan 2023 11:20:13 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://swingswing.echo.jp/?post_type=works&#038;p=725</guid>

					<description><![CDATA[いつの日からか。 彼はそこにいた。 小さな丘の上にある大きな木の下で、たったひとりでそこにいた。 その姿が、どこか寂しそうに見えたので、わたしは彼のもとに足を運ぶようになっていた。 「きたよ、ダーク」 「……よくもまぁ飽...  <a class="excerpt-read-more" href="https://swingswing.echo.jp/works/%e3%81%a7%e3%81%82%e3%81%84/" title="続きを読むであい">続きを読む</a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>いつの日からか。<br />
彼はそこにいた。<br />
小さな丘の上にある大きな木の下で、たったひとりでそこにいた。<br />
その姿が、どこか寂しそうに見えたので、わたしは彼のもとに足を運ぶようになっていた。</p>
<div style="height:50px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>「きたよ、ダーク」</p>
<p>「……よくもまぁ飽きねえな」</p>
<p>わたしは寝そべっている彼、ダークに手を振りながら声をかけた。<br />
ダークはいつも通り、めんどくさそうにしていた。</p>
<p>「飽きないよ、好きで来てるんだから」</p>
<p>「そうかよ」</p>
<p>ぶっきらぼうにそう言うと、ダークはぷいとそっぽを向いてしまった。<br />
わたしは気にせず隣に腰を落ち着ける。<br />
ちら、とダークのほうを見る。<br />
黒い服と帽子。銀色の髪。顔は今見えないけど、整ってる。瞳の色は赤。<br />
そして、彼が人間でない証である、灰色の肌。<br />
そう、ダークは魔物だ。<br />
詳しいことは聞いていないが、そうとだけ話してくれた。<br />
だから俺に近づくな、とも。<br />
最初は、確かに怖かった。でも少しずつ接するうちに、そんなに悪い人（？）じゃないって分かった。<br />
何だかんだ言って、ここにいることを許してくれてるのがその証拠。</p>
<p>「……なに見てんだよ」</p>
<p>ずっとダークのほうを見ていたら、睨まれてしまった。</p>
<p>「今ダークについて考えてたの」</p>
<p>「はあ？」</p>
<p>「ダークって結構、優しいよなぁって」</p>
<p>「バカじゃねえの？」</p>
<p>鼻で笑うダーク。</p>
<p>「バカじゃないよ。すごく真面目に考えてる」</p>
<p>「それがバカだっつーの、バカ」</p>
<p>「ひどいなあ」</p>
<p>口を尖らせるわたし。<br />
でも、</p>
<p>「いいんだ、ダークとこうして話してるのが楽しいから」</p>
<p>「変なヤツ」</p>
<p>理解できないというふうに呟いて、ダークは上体を起こした。</p>
<p>「お前さぁ、毎日毎日こんなところに来て、他にすることないのか？」</p>
<p>「そりゃあるよ。でもこの時間はダークといるって決めてるから。最優先事項！」</p>
<p>ぐっと親指を立てて見せると、ダークはため息をついて、</p>
<p>「ますます変なヤツ」</p>
<p>しみじみと言った。<br />
失礼しちゃうなぁ……。</p>
<p>「そこが楽しいところでもあるわけだけど」<br />
「正気かよ……」</p>
<p>ダークが呆れる理由がわかんないなぁ。</p>
<p>「あのさ、お前」</p>
<p>「いつもお前っていう……わたしの名前は未登録名前だよ」</p>
<p>「面倒くせぇ。通じるからいいだろ」</p>
<p>「ちぇ。で、なに？」</p>
<p>「お前、本当に俺が怖くないのかよ？魔物なんだぞ」</p>
<p>この質問は、何度も聞いている。<br />
その度にわたしはこう答える。</p>
<p>「怖くないよ。だってダークだから」</p>
<p>「意味わかんね」</p>
<p>ダークには分からないかもしれないけど。<br />
わたしは魔物が怖くないんじゃなくて、ダークが怖くないだけ。<br />
他の魔物だったらきっと、とっくに逃げ出してる。</p>
<p>「襲う気があったら、とっくに襲ってるもんねえ？」</p>
<p>「……ふん」</p>
<p>あ、ちょっとだけ顔が赤くなった。意外と表情に出やすいんだから。</p>
<p>「ダークかわいい」</p>
<p>「仮にも男に、そんな言葉使うな」</p>
<p>だってかわいいんだよ、と言おうとしたけど、あんまり言うと本気で拗ねるから黙った。<br />
代わりに笑顔でダークを見る。<br />
ダークは視線をそらしてしまった。</p>
<div style="height:50px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>だいたい、こんな日常。<br />
昼過ぎから夕方まで、こうしてダークと会話する。<br />
その何気ない会話がわたしにはとても大切。<br />
わたしは、ダークのことが好きだから。<br />
本当のことを言ったら、なんて言うかな？<br />
「種族が違う」って言われちゃうかな。<br />
でも、ダークがここにいることには変わりないし、わたしがダークのこと好きなのも変わらない。<br />
それで十分じゃないかなって思うんだけどな。</p>
<p>「……今度は何考えてんだ」</p>
<p>ダークが訝しげにわたしを見る。</p>
<p>「教えなーい」</p>
<p>わざと、いたずらっぽく言ってみる。<br />
てっきりまた流されると思っていたけど、</p>
<p>「……そんな風に言われると、気になるじゃねぇか」</p>
<p>ちょっと照れ臭そうにしてる。<br />
思わず言ってみようかな、という気になったけど、やっぱり言わない。<br />
もう少し、この空気を壊したくないから。</p>
<p>わたしの気持ち、みんなには内緒だよ？</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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