白色絵本
あるところに、とても仲のいい女の子と男の子がいました。二人はいつも一緒で、遊ぶときも一緒でした。ずっと、二人は一緒にいると思っていました。けれどある日、女の子が引っ越すことになってしまいました。男の子はたくさん泣いていました。女の子は、一生…
白色絵本
「 」
「私、待ってたのかもしれないなあ」お姉さんに、新刊が出版されたから、と呼ばれて部屋に行くと、そんなことを言われた。「待ってた、って、何をです?」「いやさ、私が参ってたとき。鍵開けっ放しだったでしょ」「そういえばそうですね★」「誰かが来るの、…
白色絵本
伝える想い
「締め切り間に合った~!」という、お姉さんの元気のいい声を聞いてから、どのくらい経っただろうか。そろそろ出版したって話が出てきてもいいと思うんだけど、お姉さんから一向にその話が聞けない。それどころか、お姉さんは段々と元気をなくしていった。声…
白色絵本
僅かな一歩
今日は回り道をして帰ることにした。昨日のことをまだ引きずっているなんて情けないことだけど、こんなモヤモヤを抱えたまま、お姉さんに会えない。こういうところが、まだ子供なんだろうな。あの男の人とお姉さんとは、何も無いって分かっているのに。お姉さ…
白色絵本
名前と距離
お姉さんが、締め切りが近くてご飯を食べる暇も無い、と言っていたので、ボクは夕飯を多めに作って、差し入れに行くことにした。ちょうど鯖が安く仕入れられたので、味噌煮にして鍋ごと持っていく。確かお姉さんは、魚料理では煮魚が好きって言っていたから、…
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憧れの向こう
すずらん商店街のわき道を通り、一つ目の角を曲がったところ。そこには古いアパートがあって、小さいころから仲良くしてもらってる、お姉さんが住んでいる。年は5つほど上で、名前はさん。今は児童書の作家をしている。ぜ~んぜん売れないけど、というのは本…
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