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	<title>Its Nothng &#8211; 揺れる</title>
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	<description>Un official text site.</description>
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	<title>Its Nothng &#8211; 揺れる</title>
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		<title>Another Christmas</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/another-christmas/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 16 Jan 2023 08:38:56 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[エッグマン軍とクリスマス（フォース）]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>*短編ページの「最初のクリスマス」と設定がつながっておりますが、単品でも読めます。合わせて2017年クリスマス企画でした。</p>
<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>「ドクター」</p>
<p>「……」</p>
<p>「ドクターってば」</p>
<p>「…………」</p>
<p>「ヒゲゆで卵」</p>
<p>「ぬわあああんじゃさっきからうっとうしい！！！！」</p>
<p>「だから、用事なんだってば」</p>
<p>「知らん！！！ワシは今忙しいんじゃっ！！！」</p>
<p>　唾飛ばしながら叫ぶと、ドクターはイスに座り直した。ああ机の上に足乗せないでよ、掃除するの誰だと思ってんだ。<br />
　ともかくこんな感じで、ドクターは見るからに暇そうだけどソニックたちに負けたおかげですこぶる機嫌が悪い。ただ、それだけが理由じゃないのも分かっているからあんまり強く言えない。<br />
　今回の計画は、いつにも増して壮大だった。世界のほぼ全てを手中にできたし、念願のエッグマン帝国の建設は目前だった。それと同時に、犠牲も多く出した。建物や器物だけじゃなく、人や動物も。直接手にかけた訳じゃないが、壊れた施設や攻撃の余波などで被害にあった者は計り知れないはずだ。それ程までにドクターは本気だったし、それらも全て覚悟の上だった。だが終わってみれば信じられないほど呆気なく日常が戻り、今では元の基地で世界征服前と同じようにイスに座って踏ん反りかえっている。<br />
　世界はまるで、Dr.エッグマンの数えきれない罪だなんて知りませんよ、とでも言いたげだった。ドクターはそれが悔しくて、恥ずかしくて、ほんのちょっぴり申し訳なくて。だから、昨日ニュースでやっていた、匿名の多額資金援助者が誰であるかなんて言うまでもないのだ。</p>
<p>「ドクター」</p>
<p>　私は呼び続ける。</p>
<p>「最初のクリスマスだよ」</p>
<p>「……だからどうした」</p>
<p>「ソニックたち、パーティやってるらしいよ」</p>
<p>「だからどうした！！」</p>
<p>　ドクターは、やっとこっちを向いた。私はその手を両手で掴む。</p>
<p>「やろうよ。私たちも」</p>
<p>「ハァ？お主何を……っておいい！！」</p>
<p>　私はドクターの手を引っ張って駆け出した。メタボな体を引きずるのはかなり苦労したけど、走り出してしまうと、口ではなんのかんの言っていたが合わせてくれたみたいで、すんなりと目的地に着いた。</p>
<p>「……元作戦本部室？お主、こんなとこに連れてきて何を」</p>
<p>「いーから開けて」</p>
<p>　ドクターは私と扉を交互に見つめていたが、はあとため息をついて扉を開けた。</p>
<p>「「メリークリスマス！！！！」」</p>
<p>　パーン！というクラッカーの音とともに、紙吹雪が飛び交った。</p>
<p>「ボス！せっかくのクリスマスですから、今日くらい騒ぎましょう！」</p>
<p>「ボクらで頑張って用意したんだよー」</p>
<p>「……ふん。今日くらいはゴミどもに付き合ってやる」</p>
<p>「……お前たち」</p>
<p>　オーボット、キューボットはもちろん、基地中のロボットたちやメタル、インフィニットまでがここにいる。メタルは、私の姿を見つけるとなぜかサッと駆け寄って私とドクターの手を払ったが。<br />
　それにも気づかないドクターはしばらく呆けていたが、ぶんぶんと頭をふっていつもの高笑いを決めてみせた。</p>
<p>「ホーッホッホッホ！！！お前たちにしては上出来じゃ！！よかろう、エッグマン軍『全員』で、今日は思いっきり楽しもうではないか！！」</p>
<p>おおーーーっっ！！</p>
<p>　そこからはもう、しっちゃかめっちゃか！ここに書ききれないくらい騒いで騒いで騒ぎまくった。しょぼくれていたドクターもすっかり調子を取り戻し、もう次の計画を練りだす始末。いつもならツッコミをいれる立場の私も、この陽気に浮かれて乗っかってメタルに諭されたり、悪ノリするキューボットがインフィニットにはたかれてたり、とにかく……最高のクリスマスになったことは確かだ。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>April fool</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/april-fool/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 16 Jan 2023 08:30:22 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[４がつのばか！（企画作品）]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>「…………は？」</p>
<p>　ドクターの言葉を聞いて、私は口をあんぐり開けた。ドクターの気まぐれは今に始まったことじゃないが、今回のコレはあまりに突飛だ。</p>
<p>「理解できんかったか？」</p>
<p>　ドクターはヌフフと気味の悪い含み笑いを浮かべた。私がこういう察しの悪い反応をすると大体機嫌を損ねるのだが、今日はいやにゴキゲンだ。椅子の上で踏ん反り返るという態度は変わらずなのだが。</p>
<p>「じゃから、お主をダシにして基地の連中にドッキリを仕掛けるんじゃ。で、その様子をモニタリングして楽しもうっていう計画じゃよ」</p>
<p>「いや、それは分かったけどね……『私がここを辞める』なんて言って、そこまで面白い反応が返ってくるの？」</p>
<p>「分かっとらんのーお主。あやつら絶対に慌てふためき動揺するに決まっとる！このワシが言うんじゃから間違いはない！」</p>
<p>　まあ、確かに、基地内のみんなから良くしてもらってる自覚はある。オーボットやキューボット、メタルなんかは特に仲が良いとは、思う。だけど、冷静に考えて4月1日にそんなこと言ったら嘘だってすぐバレそうなもんだけどな。<br />
　だけどドクターはすでにウッキウキで準備を始めている。私はため息ひとつこぼしてから、ドクターのしょーもないイタズラを手伝うのだった。</p>
<div style="height:50px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p><a href="https://swingswing.echo.jp/works/april-fool/2/">ACT.1 オーボット・キューボット</a><br />
<a href="https://swingswing.echo.jp/works/april-fool/3/">ACT2. インフィニット</a><br />
<a href="https://swingswing.echo.jp/works/april-fool/4/">ACT3. メタルソニック</a><br />
<a href="https://swingswing.echo.jp/works/april-fool/5/">ACT4. ？？？</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>Halloween night</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/halloween-night/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 16 Jan 2023 08:24:28 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[メタルとハロウィンな日]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>「あっメタルちょっといい――ってどしたのそれ」</p>
<p>　振り返ったメタルの額には、立派なドクロの絵が描いてあった。手には大きな鎌と真っ黒いローブを持っているし、なんだか物騒な雰囲気だ。さすがに鎌の刃は潰してあるようだが。しかしメタルはどこか楽しそうにしている（ように見える）。</p>
<p>「誰かに描いてもらった？」</p>
<p>　尋ねると、メタルはこくりと頷いた。この基地でそんなことしてくれるのは、オーボットとキューボットくらいだろうなぁ。でも何でドクロ？と少し考えて、</p>
<p>「ああ、もうすぐハロウィンか」</p>
<p>　そう言うと、メタルは二回ほど頷いてみせた。メタルがこういうイベントを楽しむなんて意外すぎる。</p>
<p>「けど基地にいたんじゃハロウィンもなにも関係ないんじゃないかなあ……それともここでパーティでもするの？」</p>
<p>メタルは首を横に振ったが、急に壁の方を向いて、スクリーン映し出した。そこには……</p>
<p>「……ハロウィン乗っ取り計画？」</p>
<p>　ドクターの新しい計画らしい。なんでも、ハロウィンで浮かれて油断している街に潜入し、内側からソニックを倒してしまおうという計画だった。しかも決まったのがついさっき。それで呼ばれてたのか……メタルにも声をかけておこうかなと思ったけどひと足遅かったみたい――って、</p>
<p>「私も潜入する計画か！！」</p>
<p>　計画書にはしっかり私の名前と行動内容まで書かれていた。各地にリモコン爆弾設置……そのためだけに私まで仮装する必要あるのか？っていうか私はメカニックとして雇われているはずでは！？最後にちっちゃく「予定時間より早く終わったら街を散策してもよいぞ」とか書いてあるけど絶対終わる量じゃないよね！<br />
　がっくり項垂れていると、ぽんぽんと肩を叩かれる。スクリーンを消したメタルがローブを被ってこちらをじっと見つめていた。そりゃもうじーっと。</p>
<p>「……メタルに訴えられると、なんか断れないんだよね」</p>
<p>　するとメタルは私の手をぎゅっと握って走り出した。</p>
<p>「えっうわっ！早い早い！」</p>
<p>　私の足とメタルの足じゃ違いすぎて、何度ももつれそうになったがメタルは全く聞いてないみたいだった。そんなにハロウィンが楽しみなのか、それとも別の理由があるのか、今回は私にもよく分からなかった。</p>
<div style="height:50px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>（ちなみに、計画はいつも通りソニックたちにぶっ飛ばされておしまい！）<br />
（けど、メタルが頑張ってくれたおかげでちょっとだけ街をまわれたから、まあいいかな）</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>Hydrangea</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/hydrangea/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 16 Jan 2023 08:23:25 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[メタルとあじさい]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>　朝からドクターはどこかへ出掛けていったようなので、私は滅多にない完全休日を庭園で過ごすことにした。曇り空なのは少し残念だけど、そろそろ新しい植物を植えようかなとも思っていたので、私は雑誌や手製のお菓子なんかを持って庭園のベンチに腰掛けた。<br />
　しかし、新しいものといっても何を植えようか。最近は色んな花があるからすごく迷うなぁ。彩りを考えると、青系の花が合うかなとは思うけど、あまり派手なのは主張しすぎて調和がとれないかな……。</p>
<p>「あ、メタル？」</p>
<p>　聞き覚えのある足音に顔を上げれば、メタルが私の持つ雑誌を見つめていた。</p>
<p>「新しい花、植えようと思って。……メタルだったら、何がいいと思う？」</p>
<p>　メタルにもよく見えるように雑誌を広げると、覗き込んだ彼はじっとページを見つめ、少しして捲る、というのを数回繰り返した。考え込むようなそぶりだったので、難しいことを聞いたかなという申し訳なさと、真剣に考えてくれていることへの嬉しさが混じり合う。<br />
　そうやってしばらく二人で雑誌を見ていると、不意にメタルが指差した。</p>
<p>「……これは、アジサイ？」</p>
<p>　異国の花で、小さな花が密集して咲く低木だ。花というか、花に見えるところは実は萼（がく）で、本当は真ん中の小さなツブが――ってのは今はいいとして。</p>
<p>「メタルは、これがいい？」</p>
<p>　尋ねると、コクリと頷きが返ってきた。</p>
<p>「そっか。メタルが選んでくれたから、これにするよ」</p>
<p>　笑顔で返すと、メタルはアイセンサーを瞬かせる。<br />
　それにしても、アジサイかぁ。アジサイ……あ、そういえば。</p>
<p>「アジサイ、庭に植えると結婚遅れるとかって聞いたなぁ」</p>
<p>　瞬間、ガッと片腕を掴まれる。驚いていると、メタルがぶんぶん首を振っていた。</p>
<p>「あ、ごめん！深い意味はないんだ。思い出したから言っただけで……心配ありがとう」</p>
<p>　しかし、首を振るのはやめたがメタルは依然として腕を離さない。視線はやや落ち、人であればなにかを言い淀んでいるような仕草だ。<br />
　さすがにこれだけでは何と言いたいのか分からない。私は、少しずつメタルに問いかけることにした。</p>
<p>「結婚遅れるって、心配した？」</p>
<p>　小さく頷く。<br />
　それもあるけど、もっと違うことで反応した、ってことかな。</p>
<p>「それじゃあ……私が結婚する予定があるのか気になった？」</p>
<p>　長めの沈黙ののち、大きく頷いた。</p>
<p>「あはは、ないない。大体好きな人もいないし」</p>
<p>　そう言うと、メタルはようやく私を見た。</p>
<p>「ドクターのとこでまだまだやりたいことあるし、ここにいるみんなが好きだから、出てったりしないよ」</p>
<p>　メタルは何度かアイセンサーを瞬かせたあと、私の腕を離した。小さく頭を振る様子は、なんだか謝っているように見える。</p>
<p>「いいよ、気にしないで。そんな風に思ってもらえるの、嬉しいし。……そだ、早速アジサイ買ってこようよ。そんで一緒に植えよう」</p>
<p>　手を差し出すと、メタルはほんの少しだけ迷ってから手を繋いだのだった。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>infinity</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/infinity/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 16 Jan 2023 08:22:47 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[インフィニットと交わした約束（フォース）]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>　夕暮れ。壊れた街。ロボットの残骸。<br />
　そこにうずくまる一つの黒い影。私はそこに、影を足す。</p>
<p>「負けちゃったね」</p>
<p>　黒い影、インフィニットは何も言わない。ぴくりとも動かないので少し不安になって視線を向けるが、肩が上下していたので安堵し、また視線を夕暮れに向けた。太陽は空を真っ赤に染めながら、海の向こうに姿を隠していく。</p>
<p>「正直さ、ホッとしてるんだ」</p>
<p>　息を呑むような音がした。</p>
<p>「今回の計画は、すっごく大掛かりだったよね。被害も損害もたくさん出て、あとちょっとで世界征服もできた。だけど、」</p>
<p>　私は、ぎゅうと目を閉じる。脳裏に浮かぶのは、恐怖に怯える人の顔、都市を爆撃する数多の戦艦、街を破壊するロボット、そして――メタルをはじめ、見知った姿形で攻撃するファントムルビー。</p>
<p>「なんかね、上手く言えないけど、違うなって思ったの。ドクターが目指してる世界って、もっと楽しいものだと思ったから」</p>
<p>「……悪党に、楽しいもクソもあるか」</p>
<p>　やっと喋ったインフィニットに、私はにこりと微笑みかけた。</p>
<p>「君はまだ分かんないかもしれない。ドクター・エッグマンってね、ただの悪党じゃないんだよ」</p>
<p>「……貴様は、この軍の中では常識人だと思っていたがな」</p>
<p>「そう？ここにいたら、常識なんて簡単に覆っちゃうよ」</p>
<p>　うなだれていたインフィニットは、そこで初めて顔を上げた。真っ直ぐに前を見つめ、海の向こうに沈む太陽が仮面を鈍く反射させる。きらきらと、光が溢れた。</p>
<p>「面白い。ならば貴様の常識とやら、見せてもらおうか」</p>
<p>「うん」</p>
<p>　さて、どんな話をしようか。これから夜がやって来ても、きっと朝まで楽しくなること間違いなしだ。</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>Shadow</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/shadow/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 16 Jan 2023 08:20:49 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[シャドウと初めて会った時のこと（SA2）]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>　先日からドクターの新しい計画が始まり、手始めにと新しい仲間を増やしたはいいものの……コレがどーーにも慣れないのであった。</p>
<p>「あっシャドウ、おは」</p>
<p>「……」</p>
<p>　今日もスルーされました。</p>
<div style="height:80px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>「別に仲良くなる必要はないんじゃない？」</p>
<p>　私の愚痴にスパっと返したのは、もう一人の新しい仲間、ルージュさんだ。どんよりしながら基地の防衛システムをメンテナンスしていたら、通りがかりに「なによ辛気臭い」とこれまたスッパリ言われたものだからつい愚痴ってしまったのである。でもちゃんと聞いて返事してくれるルージュさんはいい人だ。泥ぼ……いやトレジャーハンターだけど。</p>
<p>「そうなんだけど、一緒に行動してるからにはもうちょっと話しやすくなりたいなって」</p>
<p>「計画を円滑に進めるため？」</p>
<p>「なんかドクターみたいなセリフ……まーそれもあるし、あとね」</p>
<p>　浮かび上がるのは、かつての光景。<br />
　ソニックに勝つことのみを考える彼。初めて見たときは怖いとさえ感じた。だけど、関わっていくうちに少しずつ覗かせてくれる一面は、とても暖かなものだった。</p>
<p>「私はシャドウのこと知りたいんだ」</p>
<p>　ルージュさんは一瞬黙ったあと、ふっと息をついて笑った。</p>
<p>「アンタ、全然悪役っぽくないわね」</p>
<p>「あっそうか。私も一応悪役だった」</p>
<p>「アハハ！アンタ面白いわね。いいわ、気に入ったから応援したげる」</p>
<p>「面白いというのは不本意だけどありがとう！」</p>
<p>　ルージュさんに元気付けられ、やる気が出た私は急いで作業を終えてシャドウを探しに行った。まずドクターの部屋行ってみたが、ドクターも彼の行動が予測できないらしい。ルージュさん曰く一匹オオカミ的だから（ハリネズミだけど）、この分では誰も行き先を知らなさそうだ。いきりない頓挫したぞおい。</p>
<div style="height:50px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>　そうこうしている間に日課である空中庭園の手入れ時間になってしまった。今日は諦めて、明日また考えようかなあなんて歩いていくと、庭園には、すっかり見慣れた人影があった。</p>
<p>「メタル！こんにちは」</p>
<p>　水やりをしていたメタルがこちらを向く。片手を少し上げてみせたので、私も嬉しくなりつつそれに倣った。<br />
　初めはぎこちなかった彼の態度も、今ではすっかり穏やかだ。シャドウも、ここまでとはいかなくてももう少し話が出来るようになりたいな。</p>
<p>「……ああ、ごめん。ちょっと考えごと」</p>
<p>　メタルが不思議そうに顔を覗き込んでいたので、慌てて手を振った。すると彼はじっと私の目を見つめる。おそらく、話してみろということなんだろうか。</p>
<p>「えーっと、シャドウのことなんだけどね。もうちょい仲良くできないかなーって……ってなんか近くない？」</p>
<p>　なぜかどんどん詰め寄られ、思わずたじろいでしまう。まだ時々メタルのこと分からないんだよなあ……。<br />
　困った私は、とりあえずメタルの頭を撫でてみる。するとメタルはぴたりと動きを止めた。</p>
<p>「メタルと仲良くなれたみたいにさ、シャドウとも仲良くできたら、この基地ももっと楽しくなりそうだなって思ってさ」</p>
<p>　メタルはしばらく硬直していたが、やがて私から離れ、周囲をぐるりと見渡してから、私をぴっと指差した。<br />
　この行動は、私にも分かる。メタルが言いたいこと。</p>
<p>「……そだね。ありがとう、私もうちょっと頑張ってみる」</p>
<p>　メタルはこくりと頷いてくれた。</p>
<div style="height:50px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>「シャドウ」</p>
<p>　翌日朝、運良く基地内で出会えた私はシャドウの背中を呼び止める。当然足を止めてくれるわけがないので、小走りで近づき前に回り込む。<br />
　すると、シャドウは一瞬だけ眼を見開いた。本当に一瞬だが。</p>
<p>「一本いかが？」</p>
<p>　そこへ、空中庭園で摘んだ花を一本、シャドウに差し出した。真紅のガーベラは、きっと彼に似合うと思ったから。<br />
　シャドウはじっとガーベラを見つめていたが、やがて私の横を通り抜ける。ああ、やっぱりダメだったかな。でもちょっとだけ表情を変えてくれたのは一歩かな、なんて思っていたら、背後から声がする。</p>
<p>「花は、切れば死ぬ」</p>
<p>　驚きすぎて振り返るのを忘れた。</p>
<p>「土に植わっていてこそだと、聞いたことがある」</p>
<p>　そこでようやく振り返ることが出来たが、すでにシャドウの姿はなかった。彼もまたソニックと同じくらい素早いらしい。また一つシャドウを知ることができた嬉しさと、二言以上続いた会話を噛み締めながら、私はガーベラを飾りに自室へ歩き出した。<br />
　それにしても、シャドウのあの言葉は一体誰から聞いたものなのだろう。知らないはずなのに、なぜか私には、とても近しい人のように感じていた。</p>
<div style="height:50px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>（確かに花は根を下ろしていてこそだけど、切った花にも意味はあるよ）<br />
（遠い誰かに、届けるためだとかね）</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>First</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/first/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 16 Jan 2023 08:01:19 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[メタルと初めて会った時のこと]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>　来る日も来る日も掃除だの洗濯だの食事の準備だの。機械を触る日のほうが圧倒的に少ないし、触ったとしてもメンテナンスとかちょっとした操作とか、そんなことばっかり。メゲたりはしないが、愚痴の一つでも言いたくなる。</p>
<p>「でも未登録名前さんが来てくれたおかげで、ワタクシたちは大助かりです」</p>
<p>「ほんとほんとー。ボスも機嫌いいしねー」</p>
<p>「ありがとうね君たち……」</p>
<p>　買い出しを終えて夕食の準備に向かう廊下、出迎えてくれたオーボットキューボットに愚痴をこぼすとそんな風に慰めてくれた。この子ら本当にあのドクターが作ったんだろうか。いい子すぎて涙出そう。と思っていたら、オーボットが小さく「辞められるとワタクシたちが大変だし……」とボヤいた。そりゃそうだ。<br />
　二人はドクターに呼ばれているからと途中で別れ、私は食堂に向かって廊下を進む。今日は買うものが多くて、大きめの箱を両手で抱えていた。だから、曲がり角でも注意が足りなかった。</p>
<p>「うっわ！！」</p>
<p>　誰かにぶつかり、箱を落としながら尻餅をついてしまう。</p>
<p>「いてて……ご、ごめん！前ちゃんと見てなく……」</p>
<p>　視線を上に向けて、唖然とした。目の覚めるような真っ青な体。情熱的な赤い靴。まるで世界のヒーロー、ソニック・ザ・ヘッジホッグだ。まるで、と言うのは、もちろん彼がソニック自身でないことは、そのメタリックなボディからうかがえる。そういえば、ドクターから聞いたことがある。ソニックを模した最高傑作『メタルソニック』が、そろそろ再起動の段階に入ったと。<br />
　メタルソニックは、私と床を交互に見てから散らばった食材を拾い集め、さっと箱を私に寄越した。それがあまりに手早い動きだったので、私は彼が立ち去るまで、お礼を言うのをすっかり忘れてしまっていた。</p>
<div style="height:80px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>　メタルソニックが起動したということは、ドクターの新たな計画もいよいよ最終段階に入ったということだろう。今度の計画は、プリズンアイランドにあるという生体兵器を入手しその力を以って国全体に脅しをかけるんだとか。かなり大掛かりな計画になりそうなので、メタルソニックと話すタイミングは今しかない。夕食を食べ終えると、私はメタルソニックを探して基地内を歩き回る。<br />
　途中オーボットがいたので尋ねてみたが、彼もメタルソニックのことはよく知らないらしい。</p>
<p>「メタルソニックは、ソニックにしか興味ないんです。ソニックに勝つことしか考えていないので、お礼とかも気にしてないと思いますよ」</p>
<p>　その言葉を聞いたとき、ちりっと胸が痛んだ。</p>
<p>「未登録名前さん？」</p>
<p>「あ、いや。私が気になっちゃうから、お礼はちゃんと言いたいんだ。もう少し探してみる」</p>
<p>「そうですか。ではこの後の点検作業は代わりにやっておきますよ」</p>
<p>「ありがとうオーボット。今度いいオイル仕入れとくよ」</p>
<p>　辞められたら困るから、だなんて言いつつも、こうして気をかけてくれるのだからやっぱりいい子たちだ。<br />
　オーボットと別れて歩き出してしばらくのち、開けた場所に出た。ここは基地内唯一のグリーンルーム。通称空中庭園だ。廊下で囲われた円形の敷地に、くり抜いた屋根から月光が降り注いでいる。あそこに立ってる悪趣味な像さえなければ神秘的な光景なんだけど。っていうか手入れもまともにしていないから、雑草は生えまくってるし植え込みの枝は伸びたまま。せっかくの立地が勿体ない。私はどうしてもウズウズしてしまい、ポケットに常備している大きめのハサミを手に庭園への渡り廊下を渡った。<br />
　植え込み剪定を切り終えて、ふと気付いた。なにか視線を感じることに。</p>
<p>「え、あ」</p>
<p>　メタルソニックが、渡り廊下からこちらをじっと見ていた。なんとなく気恥ずかしさを覚え、体が硬直してしまう。</p>
<p>「い、いつからいたの？」</p>
<p>　返事はない。と、いうかメタルソニックは喋れるのだろうか。いやまあ喋れなくても普段からロボットには声をかけているからどっちでもいいのだけれど。見た感じ口腔機器はないけれど、発声するのに必ずしも必要じゃないからなあ……ってそんなことより、昼間のお礼をしなきゃ。</p>
<p>「あ、あのさ！昼間はどうもありがとう！ぶつかっちゃって本当、ごめんね。怪我とかなかった？あー、機械だから怪我っていうのも変なんだけどさ、他の言い回しが分かんなくって。……あ、あーここ綺麗だよね！ちょっと荒れてるけど、手入れしたらもっと良くなると思うんだよねー……」</p>
<p>　全く返ってこないリアクションに段々居たたまれなくなってきたころ、メタルソニックがつかつかと歩み寄ってきた。何か気に触るような事を言ったんだろうかと冷や汗をかいていると、植え込みのそばで屈み込み伸びきった雑草を抜き始める。</p>
<p>「手伝ってくれるの？」</p>
<p>　こくり。<br />
　今度はちゃんと返ってきた。</p>
<p>「ありがとう。優しいね」</p>
<p>　しばし間があって、小さく首を振った。私には彼が照れているように思えて、幸せな気持ちで手入れを再開した。<br />
　しばらくすると、庭もだいぶ形が整った。あとはあの像さえ何とかなれば……と思いながら辺りを見回し、はたと気付く。メタルソニックがいない。一体いつの間に。</p>
<p>「……不思議な子だなあ」</p>
<p>　だけど、私はあの時から思っていた。エッグマンの最高傑作とか、ソニックにしか興味がないとか色々あるみたいだけど、根っこは真っ直ぐで優しい子だ。私は、そんなメタルのことをもっと知りたくなっていった。</p>
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		<title>Return</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/return/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 16 Jan 2023 07:53:30 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[きっかけはそんなこと（SA1）]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>　巨大な戦艦が炎上し、海に向かって沈んでいく。エメラルドコーストに集まった人々はそれを見て歓喜し、街を救った英雄の名を叫んでいた。<br />
　ただ一人を除いて。</p>
<p>「私もあんなの作りたい……！！」</p>
<div style="height:200px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>
<p>「というわけで、ここで働かせてください！」</p>
<p>「何が『というわけで』じゃ断る！！！！」</p>
<p>「なんでよ！いいじゃんちょっとくらい！！」</p>
<p>「お前を雇うことのどこがちょっとじゃたわけ！！！」</p>
<p>　さっきからこの繰り返し。人手不足だろうから簡単に雇ってもらえると思ったんだけどなぁ。やっぱり、基地に乗り込むのにコンピューターにハッキングしてロボット全部フリーズさせたのがマズかったかな？つってもメインCPUまで破損させてはないから修理も楽だと思うんだけど。などと呟いていたら、側近らしい赤いロボットが「単純に機嫌が悪いだけだと思います。ソニックたちに負けたばっかりで」と教えてくれた。そしてひっぱたかれていた。</p>
<p>「どうしてもダメ？」</p>
<p>「ダメじゃ。小娘一人に何が出来る」</p>
<p>「けどボスぅ、ハッキングの腕は確かでぶへぇ！！」</p>
<p>「キューボットまでやかましいんじゃ！！よおし小娘、そこまで言うなら試してやるわ！受かれば採用してやる！」</p>
<p>「本当！？」</p>
<p>「じゃが！一個でも間違えたら即帰ってもらう！よいな！？」</p>
<p>「よっしゃどんとこい！」</p>
<p>　それから私はエッグマンの繰り出す質問に次々と答えていった。数学的、工学的な質問をしてくるあたり、腐ってもIQ300らしい。サクサク正解を答えていると、エッグマンはぐぎぎと唸り声をあげた。そんなに私を雇いたくないのかと眉間にしわを寄せていると、復活した赤いロボット君曰く、実力は認めてますけどここまできて後には引けないみたいですねと教えてくれた。子供か。知ってたけど。しばらく唸っていたエッグマンだったが、急に顔を上げるとニンマリ笑った。情緒不安定だな。知ってたけど。</p>
<p>「よし、次で最後の質問じゃ」</p>
<p>「うす」</p>
<p>「ロボット工学の権威、ジェラルド・ロボトニック最後の発明品は？」</p>
<p>　ジェラルド・ロボトニック。その名は誰もが知っている。こんにち世に溢れるロボットや機械は、半分以上彼の研究成果によるものである。しかし、宇宙にあるコロニーで大きな事件を引き起こしたとして、彼は犯罪者として処断された。その詳しい理由は世に公表されていない。研究していたものも、事件ののちコロニーごと棄却されているのだ。</p>
<p>「どうした？答えられんか？」</p>
<p>　そんな極秘内容、一般人が知る訳がない。だけど、一つでも答えられなかったら雇ってもらえない。私は、ここで諦めたくはない。<br />
　だってエッグマンの資金力と開発設備があればなんだってできそうだし！！！！！</p>
<p>「その答えは」</p>
<p>　私はぐっと拳を握り締める。</p>
<p>「私が宇宙に行くまで、待っててくれない？」</p>
<p>　おそらく。<br />
　エッグマンの次の作戦は、そのコロニーに関係があるのだろう。そうでなければ今まで技術的な質問をしてきたのにいきなり極秘プロジェクトの内容が出てくるわけがない。これは私を、真の意味で試しているのだ。私がエッグマンの意図を理解して、なおかつそれを成功させてみせろと言っている。<br />
　しばらくの沈黙ののち。</p>
<p>「……貴様、名は？」</p>
<p>「……未登録名前」</p>
<p>「未登録名前！合格にしといてやるわ！ただし、最初は雑用からじゃぞ！」</p>
<p>　そんなくらいでメゲてては、最初っからここには来ていない。私はビシッと敬礼してみせ、</p>
<p>「ラジャー了解！」</p>
<p>満面の笑みで返事をした。これからの日々が、楽しみで楽しみで仕方がない。</p>
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		<title>Nothing</title>
		<link>https://swingswing.echo.jp/works/nothing/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ngr]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 16 Jan 2023 07:34:28 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[メタルと過ごす、とある日常]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>　ドクターからメタルソニックを探してこいと言われた。探して、というよりはメンテナンスしてこいっていう意味なんだろうけど、とにかく私はメタルソニックを探して基地の中を歩き回っていた。メカニックとして（無理やり）ドクターの基地に置いてもらってるのはいいが、任されるのは雑用ばかりだ。いつになったら一人で機械を作らせてもらえるんだろう。ま、作ったってどうせソニックたちにすぐ壊されちゃうんだろうけどね。彼らになんの怨みはないけれど、それだけがちょっぴりフクザツ。ドクターについてればあれやこれや色々作れると思ったんだけどな、あの人頭だけは天才だから困る。<br />
　そんなことを考えながら歩いていると、空中庭園に行き当たった。ここは基地の１０階ど真ん中に作った円形の庭で、芝生も花壇もあるが、当初悪趣味な像が立っていたために私が猛抗議し、おかげでドクターから唯一、好きにしていいとも言われている場所だ。メカも好きだが花も好きな私は、暇を見つけてはここを手入れしていた。<br />
　そこに、見慣れた影を見つける。</p>
<p>「メタル。ここにいたんだね」</p>
<p>　声をかけると、足を投げ出して座っていたメタルは顔をこちらに向けて、そしてすぐ視線を戻す。動く気配がないので、私も並んで座った。ドクターの用事は、まあ、今すぐじゃなくていいだろう。<br />
　珍しい、というか、この場所でメタルを見るのは初めてじゃないだろうか。メタルはソニックにしか興味がないと聞いていたし、実際私もそう思っていた。なのに今、青い芝生の上に青いからだを預けて空を見上げている。機械と自然。アンバランスなはずの光景が、なぜだかとても美しく見えて、私はぼうっとメタルを見ていた。すると、メタルがすいと腕を上げた。</p>
<p>「……チョウ？」</p>
<p>　突き出した指先に、一羽のチョウが止まった。そういえば、この庭でチョウを見るのも初めてだ。以前は荒れていたこともあって、虫のたぐいは一切見たことがない。私の手入れがよかったのか、と少しばかり感動していると、メタルがこちらを見た。そして、少し首をかしげてみせる。言葉は一切喋らなかったが、なんとなく「これはなんというチョウか」と尋ねているのだろうと思った。だけど、残念ながら私は虫に詳しくない。</p>
<p>「アゲハチョウだと思う、けど……なにアゲハかまでは、」</p>
<p>　そこで、言葉を切った。<br />
　名前の分からないチョウ。名前を模されたメタル。<br />
　私は、２つの存在がだぶって見えた。</p>
<p>「あ、ごめ、そういうつもりじゃなくて、」</p>
<p>　瞬間、チョウがふわりと飛び立って、開いていた天窓を通り抜けて青い空に消えていく。メタルソニックはチョウを見送ってから、くるっとこちらを向いた。私は思わず目をぎゅっと閉じたが、やってきたのは優しい感触。そっと目を開けると、ゆるゆると私の頭に触れているメタルと目があう。やっぱり言葉は喋らなかったが、私には、彼がなんと言っているのか分かるような気がした。</p>
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