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ホワイト・メモリー

ホワイトメモリー かくして戦いの火蓋は切って落とされたわけで。私の目の前にあるでかいホールで、シャドウ、ソニック、そしてGUNが三つ巴となって激しい戦闘を繰り広げている。正直シャドウとソニックはまるで見えないが、振動や衝撃音でなんとなく位置…

ダブル・アクション

ダブルアクション「……何故、ここにいる」 そう言ったのは、目玉ではなく。 私の前でしかめっ面をしているシャドウだった。「それこそ私が聞きたいんだけど……」「帰れ。即刻帰れ」「帰れるもんならとっくに帰ってるわ!」 こいつ状況見えてないのか!ど…

ブラック・インシデント

ブラックインシデント ……どこだここ。 気がついたら檻の中にいた。檻っていうか、なんていったらいいのか……とにかくめちゃくちゃ気持ち悪い場所だった。床から天井から生暖かくぶよぶよとしていて、時折生き物のようにうごめいている。試しに格子に触れ…

スペース・ロスト

スペースロスト 私は今宇宙にいる。いや比喩でもなんでもなく、宇宙船に乗って宇宙からあの青い星を眺めているのだ。平々凡々に生きていた私がこんな一大スペクタクルに巻き込まれるだなんて……人生って何が起こるか分からないもんだなあ……。「しっかし、…

ルーイン・コンタクト

ルーインコンタクト「……すごい」 やっとの思いで遺跡に辿り着いて、最初に出た言葉はそれしかなかった。 テレビではGUNと交戦中と言われていたはずが、黒いやつらもGUNの姿も見当たらない。ただ遺跡や森に残った傷痕が、どれほどの戦いだったのかを…

ファインド・ラン

ファインドラン「本日のニュースです。昨夜、全世界指名手配中のドクター・エッグマンが建設したサーカスパークを取り壊したヒーロー、マイルス・パウアー氏の……」 朝。ウェストポリスが復旧するまで政府から支給されたアパートでトーストをかじっていると…

ハイウェイ・ダイブ

ハイウェイダイブ まるで映画か漫画のようだ。いやきっとそうに違いない。そうでなければ現実にこんなことが起こるわけがない。 崩れ落ちたハイウェイの鉄骨にぶら下がるような事態が! そもそも、あの空から降ってきた黒い奴らはなんなんだ。いきなりウェ…

Five

Five「女」の名前を呼んだことはもちろんない。知っていたのは偽名だけということもあったが、あいつの前で声を出すのは愚行以外のなにものでもなかったからだ。同時に「女」から名前を呼ばれたこともなかった。あいつは知っていたはずなのに。なぜ、それ…

Four

Fourそのまま帰ろうとしたが引きとめられ、あっという間に女の住むアパートに連れてこられた。僕としては、こんな……あの女に瓜二つの女なんかと一緒にいたくはないが、傷を癒す時間と傷が癒えるまでの間身を隠す場所が必要、ではあった。感情と利便性を…

Three

Three月夜の晩だった。僕は女に銃口を向けていた。「やめて……!殺さないでえ!お願いだからあ!」人を殺すことに躊躇いはない。……そのはずだった。僕は、ぎり、と奥歯を噛んだ。目の前で懇願する女が鬱陶しくて仕方がない。なのに、引き金を引く指が…

Two

Two僕はその人物を蹴飛ばした。相手は唸り声をあげて咳き込む。敵を見下すのはとても気分がいい。それが、長いこと不満を抱いていた人物なら尚の事。雲影に隠れていた満月が顔を出すと、その光に照らされて相手の顔も映し出す。大統領の娘「だった」女。弱…

one

One「つまらないわ」そう言って彼女は、ガラスの小鳥を床に放り投げた。ぱりん。あっけなく小鳥は砕け散り、ただの破片と化す。どこぞの名工が作った世界にただ一つの作品だと記憶していたが、彼女にとっては瑣末事らしい。「片付けて」恐らく、僕にこんな…