心因性の神聖
*百合っぽい姫様は、もうずいぶん見たことのない笑顔で編み物をなさっていた。薄く開けた窓から吹き抜ける穏やかな風が、時折編み終えた糸を揺らすので、そのつど姫様は子どもを寝かしつけるみたいな優雅な手つきで糸をなだめる。ただそれだけの仕草が、姫様…
ゼルダ短編※,時姫
共時性共有度
共時性共有度「全く、とんだ茶番だな」後ろからかかった声。クルークのようでクルークでない、魔物のほうの声だった。あざけるような口調の魔物に、クルークはそちらを見ずに言う。「……何か文句でもあるのかい」「いや?貴様もよくやるものだと思ってな」そ…
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親和性進行度
親和性進行度クルークの機嫌がさらに悪化していた。「……」「……クルーク」「……」いくら呼びかけても、クルークは本から顔をあげようとしない。その表情は険しく眉間にはシワがくっきり刻まれたままである。これまでもクルークの機嫌が悪くなることは何度…
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類似性不一致
類似性不一致なぜクルークはあんなに怒ったのか。思い返してみても、何も怒らせるようなことはしていない気がする。そもそも部屋に入ってきたときから不機嫌だった。部屋に来る前に何かあって、それで私に八つ当たったのかも。そう思った私は、とりあえず最初…
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反対性類似色
反対性類似色あいつを召喚してからというもの、私は忙しい日々を送っていた。なにせ、あいつのチカラを引き出すためには私がもっと強くならなきゃいけない。そのためにはたくさん勝負をしていかなければ。それまで使い切ることがなかったやる気も魔力もすぐ底…
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因果性還元度
因果性還元度拝啓、母君様。私はいま絶体の危機に瀕しています。「……ぬるい」私が淹れた紅茶を一口飲んで、そいつは眉をひそめた。「……すいません」「正しくは『すみません』だ」「…………スミマセン」召喚したのは私。召喚されたのはこいつ。だけどいつ…
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後輩の脅威
「先輩!今帰りっすか?」 昇降口で靴を取ろうとしたとき、横から声がかかった。振り向けば、ジャージでラケットバッグを担いだ赤也が立っている。「うん。赤也はこれから部活?」「そっす。その前に、先輩が見えたんで声かけちゃいました」 にっと笑う赤也…
テニス短編切原赤也
余裕がない
「りすくま先輩って、難しいこと考えてるよね。愛についてとか、すごく高尚でかっこいいなあ」「……うん★」「それにいい声してるよね。低くて落ち着いてて、聞いてて安心するよ」「あっあのさ★」「どうしたの佐々木」「ボクも先輩ほどじゃないけど勉強でき…
ぷよぷよ短編まぐろ
ホワイト・アウト
「佐々木くんってさあ、」同じ委員会の女の子と、二人で教室に残って仕事をしていたときだった。「なんだい?」その子とはあまり話したことがないから、ずいぶん唐突だなと思った。「佐々木くん、いつも楽しそうにしてるけど、それって本当?」……ずいぶん、…
ぷよぷよ短編まぐろ