うさぎにご用心

「あのさ、闇の世界に行ったリンクは、うさぎになったのよね」

「そうだけど、それがどうかした?」

「闇の世界は己の心を映した世界なのよね?」

「うん」

「ということはつまり、リンクは縄張り意識が強くて性欲が強いってことね!」

「ブハッ!!なんでそうなるんだよ!」

「だってうさぎってそういうものじゃない」

「そうなのか……」

「うん」

「でも『僕がイメージするうさぎの姿』になったと、思うんだけど」

「じゃあリンクがイメージするうさぎってどんなよ」

「大人しくてか弱い」

「剣振り回してるアンタが何言ってんのよ!アホか!」

「剣は仕方なくだし!僕本当はそんなに強くないから!あとアホって言うな」

「ほー、嵐の中たったひとりで姫を助けに行けるやつが強くないと。そういうわけ」

「……なんか、含みのある言い方だね」

「べっつにぃー?」

「ああわかった。やきもち焼いてるんでしょ」

「はあ!?なんでわたしが!」

「ピンチに助けられたゼルダ姫に嫉妬したわけだ」

「ちがっ……リンクがいきなりへんなこと言うから!」

「僕ってば愛されてるなあ」

「違うっつっとろーが!あんたの頭はお花畑か!」

「うんうん。照れ隠しもかわいいよ未登録名前」

「だからなんでそうなるんだああああ!」

「でも僕以外の人にそういうことしたらダメだからね」

「はあ?」

「わからない?じゃあ態度で示してあげる」

ちゅ

「なっ……!?」

「今日から未登録名前は、僕のものだからね」

(ということはやはり性欲のほうも……!?)
(未登録名前が望むならそうしてあげるけど)
(結構です!!!)