「あ、長曽祢さん。ちょっと買い出し付き合ってもらっていい?」
「ああ、もちろんだ」
「ありがとう、助かるよ」
「――うん?主、爪紅をしているのか?」
「ああこれ?この間出かけたとき見かけて、良い色だなって思って買っちゃった……変かな?」
「いや。……うーん、なんと言えば良いか」
「そ、そんなに考えこまなくっても」
「すまん、悪く受け取らないでくれ。おれはこういったことに疎くてなあ……上手い言葉が出てこないんだ」
「あはは、いいよ気にしないで」
「上手い言葉は出てこないんだが……」
「ん?ーーわ、(ぎゅ)」
「好きなものを身にまとって嬉しそうにしているあんたを見るのは、おれも嬉しい」
「……」
「……主?」
「長曽祢さんそういうところなんだよなぁ~~!!」
「ど、どうしたんだ主」
「なんでもない!!ほらっ早くいこ!!」
「あ、ああ」
とりあえず、このマニキュアの色が長曽祢さんみたいだったからって、気づかれなくてよかった!