「やっほークルーク!」
「うわっ!未登録名前!……ぎゃふん!」
私はクルークをぶん殴って気絶させた。
仮にも級友にこんなことをするのはとーっても忍びないのだけれど、こうでもしないとあの方に会えないから仕方がない。ないったらない。
「……お前は!毎度毎度いい加減にしろ!」
クルークが持っている本から紅いタマシイが飛び出し、クルークの体に入り込むと、ぼふんという音と共にあの方が現れる。
「はあ、今日もかっこいいですアヤ様」
「やめろその呼び方……」
そのうんざりした表情もなんてかっこいいんでしょう。
いやアヤ様だからかっこいいのか。むしろアヤ様だったらなんだって好きだ。アヤ様バンザイ。オールウェイズアヤ様。
「なぜ、お前はそこまで私にこだわる」
「なぜってそんなの……」
私はぴっと人差し指を立てて、高らかに宣言する。
「アヤ様の全部が好きだからに決まっているでしょう」
「バカだな」
「バッサリ罵倒!ありがとうございます!」
「本当にバカなのだな……未登録名前は」
ああそのこめかみ抑えて憂いの表情を浮かべるアヤ様もほんっと素敵。素敵すぎて吐く。アヤ様に愛情表現するためなら嘔吐でもなんでもするよ私。