究極の選択

究極の選択

「っは、っはあ、はあ……やっと、見つけた」

「未登録名前、どうしてここが」

「シャドウが行きそうなところ、ぜんぶ、見てきた。自分の足で、走って」

「……」

「ねえ、どうして?どうして、わかれる、なんて、書きおき」

「……」

「っう、わたし、が、人間だから、ひっく、だめ、なの?」

「違う、違うんだ」

「じゃあ、どうして?」

「僕は……怖いんだ!僕は作り出された存在で、寿命がなく、永遠を生きるしかない!だが、君はいずれ死んでしまう。ずっと一緒にはいられない。一人になるのが……怖いんだ!」

「シャドウ……」

「なら、もうこの生活は終わりにしようと……そう決めたんだ。僕のほうから言っておきながら、すまないと思っている。僕のことは、忘れてほしい」

「ねえ、シャドウ。それってさ」

「……」

「それって、ふつうじゃないかな」

「は?」

「だってさ、シャドウにもし寿命があっても、どっちか先に、絶対死んじゃう。そしたらやっぱり、ずうっと一緒にはいられない。ふつうのことだよ」

「……!」

「でも、シャドウは永遠を生きられる。だからわたしが死んじゃっても、わたしの子供とか、孫とか、ひ孫まで?もっと?とにかく、その子たちのこと、ずっと見てられるよ」

「僕、は」

「だから、一人じゃないよ」

「……っふ、はは、あはははは!」

「え、しゃ、シャドウ?」

「本当に、君というやつは……はははっ!」

「どうしちゃったの?(ぎゅう)わっ」

「悩んでいた僕が馬鹿だった。そんな簡単なことにも気づけないとは、全く、究極の名折れだ」

「いや、究極関係ないんじゃないかな……」

「未登録名前」

「なに?」

「愛してる。一生離さないから覚悟しておけ」

(選択肢なぞ一つしかないがな)

「そういえば、さっき子供がどうのとか言ってたな」
「うん。…………! あ、いや、えっとそれはえっと!」
「期待してもいいということか?」
「う、……」
「どうなんだ」
「……いじわる」
「フフ、結構だ」