なぜクルークはあんなに怒ったのか。
思い返してみても、何も怒らせるようなことはしていない気がする。
そもそも部屋に入ってきたときから不機嫌だった。
部屋に来る前に何かあって、それで私に八つ当たったのかも。
そう思った私は、とりあえず最初の不機嫌の理由を探ろうと、クルークとよく組む仲間をあたってみることにした。
「それでボクに、かい?★」
「うん。まぐろくん、何か知らない?」
まぐろくんは肩をすくめて、困ったように言った。
「うーん……昨日は特に、なにも変わった様子は。でも、元からあんまり話さないから、詳しくはわからない、なぁ★」
それもそうか。クルークは自分から話しかけにいくタイプじゃないから、会話っていう会話も――って、まてよ。
まぐろくんが見た限り何もなかった、普段一人だから誰かといさかいを起こすこともない。
じゃあ、どうしてクルークはあんなに不機嫌に?
……ここで考えていても、答えは出ないだろう。
まぐろくんにお礼を言って、私は部屋に戻ることにした。
とりあえず、クルークに会ってちゃんと話をしなければ。
たかが仲間一人の機嫌、と言われるかもしれないが、私としては、せっかくこうして出会ったんだから出来るだけ楽しく過ごしてもらいたい。
それが、一番好きなクルークなら、なおさらだ。
あっちは気づいていないだろうけど……それでもいい。この島にいる間は、一緒にいられるんだから。
「おい、お前」
「クルーク!……じゃない、か」
声が似ているというのは少々厄介。
振り向けば、いたのは魔物のほうだった。
「ふむ、そんなにあいつが気になるか」
声どころか、性格も似ているので厄介だ……。
でもこちらはさも面白そうに、ニヤリと笑っている。
「そりゃあ気になるよ。……仲間だし」
「ほお」
なんだか含みのある言い方をされたが、言及すると面倒なことになりそうなので何も言わなかった。
(結局……あいつがいいんじゃないか)