まぐろくんは、よく分からない。
ヘンなことを時々言う。
でも、すごい。
そして、優しい。
「うーん、やっぱ分からん」
「な~にが?」
「あ、まぐろくん」
ひょい、と顔を覗き込まれる。相変わらず目は隠れているけど、これは覗き込んでるといえるだろう。
「また難しいこと、考えてる?」
「まあね。ちなみにまだ灯台は見えそうにないよ」
「座礁しそう?」
今度は、私は笑って言うことができる。
「そうなったら引き上げてくれるよね」
「もっちろん★」
キミのためなら海でも渦でも飛び込むよ。
相変わらず、はたから見ればおどけた口調で本心を言った。