ソニックはハリネズミだ。だから当然、立派なトゲを持っている。青くてつやつやしていて、触るとちくちくするけど毛の流れにそって撫でるのはとても心地良い。
「どうした?ンなじーっと見つめて」
「いや……ちょっと」
それが故の大きな悩み。
ソニックを後ろから抱きしめることが出来ないのだ。
じゃあ前からいけばという話になるわけだが、それができていたらこんな苦労はしていない。だって、あんな、かっこいい男の子を正面切って抱きしめるとかムリに決まっているだろう。
「おーい、大丈夫か?」
ぐっと覗き込まれ、思わず身体がのけぞった。エメラルドグリーンの大きな瞳に見つめられると、勝手に顔が熱くなってしまう。それを見られたくなくて「なんでもない!!」と大きな声でそっぽを向くと、目の前からくつくつと笑い声。
と。
「どうせ余計なこと考えてたんだろ?」
もっと堂々とすればいいだろ、と、今日もわたしはその大きな手で包み込まれて背中をゆるゆる撫でられてしまうのだ。